第53話 領地へ 馬車の内装

 馬車の扉を開いてクレマンド殿下達に、中に入る様に声を掛けた瞬間に、馬車の内装が目に入ってギョっとして。

 驚いたアレクお兄様が、言葉を詰まらせ掛けたが何とか言い切った。(根性だわね?フフフ)

 その様子を不思議がりながら、馬車の中に入るクレマンド殿下。

 中に入ったとたんに声を挙げる。


「うおぉ!なんだこの中は!」


 そう言って、一端馬車から降りてアレクに詰め寄る。


「アレク殿!なんです?あの馬車中は?あんなに豪華なのは何故か?それに中が広いのでは?凄いですよ、私はあんな馬車の中を見たことがない!!」


 やや興奮気味で、アレクお兄様にクレマンド殿下が詰め寄るが。

 アレクも何が何やら分からない。

 なのでパトリシアに話しを振るしかない。


「いや、私ではなく……。シア!」

「なんてすの?アレクお兄様?」


 すっとぼけて、アレクお兄様に訪ねる?フフフ。


「(お前後でおぼえてろよ?)クレマンド殿下に馬車の中の説明してくれ」

「ええ、私で良いのですか?」

「っつ!(シアしか出来ないだろが、これ!)頼むよ?」


 顔を引き攣らせながら笑って私に頼んでくる。


「承知致しましたわ、お兄様。さぁ、クレマンド殿下。驚いてばかりだと、時間が勿体ないですわよ?中にお入り下さいませ?」

「そ、そうだなでは、失礼するよ?」


 と言って中に入る。


「「「す、凄い」」」

「パトリシア嬢。ベルガモット家の方々が乗る馬車は、皆この作りなのかい?」

「え?ええまぁ~。この作りに近いですわよ?これだとゆったりと寛げるとは思うのですが……?それと、ソファーの後ろに小部屋があるのですが。

そこは……御手洗いに成って居りますので、いちいち馬車を停めずに済みます。使い方ですが……その………(説明中)…………ですわ。ご遠慮せずにお使いくださいませ?後この扉の中にお水に、まぁ、ちょっとした物を入れて有りますので。こちらもご遠慮せず、ご飲食下さい。では、説明を終わります」


「「「「…………」」」」


 アハハ。まぁ~それは驚くわよね?


「ああ、それと。御者ですが。私達の使用人が致しますので、ご安心下さい。それと、お手間ですか、側近の方?」

「な、何でしようか?パトリシア様?」

「ええっと、殿下達がお持ちの馬は、そのまま馬車の脇を走らせますわよね?」

「ああ、そうですね?このバルカンとベンド、私がが交代で走らせます」


 すると今度は、アレクが説明をトリマン達にする。


「それなら、馬車の脇で必ず走って下さい。家の騎士も側で走らせますが、連絡を取り安くしておいて下さい。先行が何か有れば知らせますので」

「承知した。宜しく頼みます」


 と、トリマンが頼んで来た。


「さて、そろそろ出発ですわ!私達は自分の馬車に戻りますわね?」

「ああ。では、また後でパトリシア嬢」

「え?ええ、また後程」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る