閑話 国王のケジメ・・・・5
ふぅ………行ったか。
取り敢えず、これで後はあのもの達の事情聴取の報告を受けて裁けば良い。
どのみち二度目の犯行だ極刑は決まりだ。
後………はベルガモット家の問題だ!
あの一家は力が有り過ぎる。
先代より前からの付き合いがあるので、父からも絶対に敵に回すなと言われていたのに、このザマだ非常に不味い。
そんな事を、考えているとハインツから声が掛かった。
「父上、それで、これから如何致しますか?」
「それだがな………?」
考え込むと、ダラスが部屋に入って来た。
「失礼致します陛下。アデス・ベルガモット宰相から文が届きました」
「文………だと?」
「こちらで、御座います」
受け取った文を読み始めると、おおかた予想していた事が書かれていた。
「ハインツ!おおかたの予想が当たったよ。読んでみろ!」
「は、失礼致します」
ハインツが文を読んでいる間、マクシミリアンは眉間に皺を寄せ考える。
それはそうだろうと………大事な娘が卒業生全員の前で、婚約者に婚約破棄等と言いわれ恥を掻かせられれば、娘に傷が付いたと怒るのは当たり前の事だ。
この文の内容で言いたい事は分かる。
ましてやこちらが全面的に悪い、言い分を全て聞くのが当たり前なのだが………。
ハインツが文を受け取り読み始める。
暫く室内の音が無音になり、文を読み終わったのかハインツのため息で部屋に音が戻ってくる。
「父上、これは不味いですよ。慰謝料などの問題では無いですよ!」
「全くだ、宰相職務を辞職と爵位返上、領地独立とは……ここまで大問題になるとは」
「先ず止めないと、辞職は許可し爵位はそのままにし、領地に引っ込むのも許可し、兎に角独立だけは……何としても止めさせないと」
独立公国など立ち上げられたら、この国の財政が傾き兼ねない。
「まぁ……それが妥当か、今回の事で他の貴族も、騒ぐだろうしな」
「改めて宰相に……いや、ペルガモット家全員を、近い内に登城させんと」
「そう、ですが……先ず母上と、クレールに話をしてからでは?」
「……そ、そうだなそちらが先か?だが……」
「父上、私がクレールにこの話をしておきましょう」
「そうだな、そうしてくれ。妃には私が話をする」
そして、方を付けねば成るまい………。
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