閑話 国王のケジメ・・・・4

 まったく……馬鹿な事をしたものだ……。

 王家とベルガモット家を更に、敵に回すとは大方ルーベルトは、嵌められたのだろうが身から出た錆……ふぅ。


「父上、一通り目を通しましたが、このシュバン子爵とは?」


 余り聞かない家名だが?


「失礼ながら、ハインツ殿下。シュバン子爵とは元々伯爵家でした」

「その伯爵家が、何故子爵に?」

「まぁシュバン伯爵が、当時不正をしていたのを、宰相が突き止めて、子爵に降爵位させたのだよ」


(馬鹿な奴よ。世が極刑に落とそうとしたのを、わざわざ宰相が止めに入り領地没収、追徴課税、降爵位嵩で済ませた物を……命の恩人に復讐を企てるなど愚かよの。

しかも、息子のルーベルトまで、捲き込むとは……馬鹿である。だが許さんぞバガール・シュバン子爵!)


「それで、養女まで使い?王家と宰相に!復讐を企てたというのですか?」


「まぁ、大方そうだろうな……どちらにせよ思惑は見事に、失敗に終わっているがな。ダラス騎士団長を呼べ!」

「ハッ!畏まりました」


 報告書の捕捉に、金の使い込みの報告もあった。

 それにしても色々使い込んだ物だ。

 全部ルーベルトが貢いだのか……。


 使った代金は、王家の付けと言う形で買わせたのか?報告書の内容を見るとドレスに、宝飾品果ては飲食代にと桁外れな請求が報告されたいた。

(これに関しては、護衛に付いていた者の分も入って居るな・・・・)


 到底ルーベルトの一存では、購入等出来ない金額だった。


 ハインツと二人で、今回の件の話し合いをしていると騎士団長が駆け付けて来た。


「失礼致します。陛下お呼びでしょうか?」

「あぁ、バルカン団長呼んだのはな?シュバン子爵一家を拘束して参れ!頼んだぞ」

「………シュバン子爵ですと?」

「そうだ!急ぎ捕らえよ。恐らく国を出る算段も、付けているだろうからな」

「畏まりました、直ちに向かい引っ捕らえて参り、牢へ入れます」

「頼むぞ!」

「は!失礼致します」


 バタバタと騒がしく、騎士団長が執務室を出ていった。


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