閑話 馬車の中で 2

「そ、それでは。殿下は今後、どうされるおつもりなのですか?」

「それなんだよ、バルカン……。実はな、私はパトリシア嬢が気に入ってしまってな。出来れば、彼女の側に居たいのだよ」

「「「はぁ?」」だろうと思いましたよ」


 若干一名が、私の行動で気持ちに気付いた者がいたか?


「で、殿下それは……不味いのでは?」

「何故?私には、決まった婚約者も居ないしな」

「いえ、そう言うことではなく!ベルガモット家のお嬢様には、婚約者が居るのでは?」

「……あ!そうだったな。ワハハハ。失念していた!余りにも、かわいいご令嬢だったのでな。そうか、そうだったね?確認してなかったよ。しかも、ご令嬢の情報も把握していなかったね」


 だが、まだ旅は始まったばかり。此からいくらでも情報が聞き出せる。


「で、殿下。ご自身は、どうされるのですか」

「ん~。どうしょうかなぁ。身分はそのままで、独立するか。其には一度国に、戻らないといけないが……面倒だ!」


 それに、帰国そうそうまた弟に暗殺計画を練られて殺されそうだがな?


「しっかし、戻るなら。この馬車貸してくれないかな?」

「あ!それは私も分かります。この馬車の存在を、知ってしまったらねぇ~殿下?」

「そうだね……移動が面倒だ」

「えぇ、全くですよ!我が国の馬車なんて」

「ベンド、それは言うなよ。虚しくなる。どちらにせよ馬車を何処かで、調達して一度帰国だな」


 ま、そうなるな。

 だが……離れがたい、最初は飛んだじゃじゃ馬な、ご令嬢だと思ったが。見た目と行動のギャップがあって驚いた。

 少しずつだが、話せばまた印象が変わり。

 かわいらしく恥ずかしがる。

 それにあの魔力だ!なんて、魅力のあるご令嬢だろう。

 あれでは、家族が可愛がるのも頷ける。


 さて、どうやってパトリシア嬢とコミュニケーションを取ろうか……。


 悩むクレマンドである。


 側近達と、そんな話をしながら時間が過ぎいつの間にか昼の休憩場所まで着き馬車が止まった。


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