閑話 国王side 6 王子ざまぁ カウントダウン 6

 だがしかし、宰相が去り際に残した言葉が気になる。確か領地に帰るとか何とか?言って無かったか?

 だが……………その事は後だ。

 先ず、やらかした本人が反省もしていなければ悪いとも思っていない。

 我が儘を言うがままに、聞いてやった結果がこれだ。


「私達が悪いのは良く分かるが。それにしても、頭の中身が子供のままだ、愚か者にも程がある」

「全くだわ………(何処で間違えたのかしら?)」


 これは危険だ!他の貴族がこれに近寄り、良からぬ事でも刷り込めば、愚かな傀儡が出来上がるだろう。そして、謀反の駒にでもされれば、争いが起こるのが目に見える。


 良いように、利用されるのが関の山だ。

さて厄介だな。


「…………妃よ」

「何ですか貴方?」

「何か良い考えはないか?」

「全く思い付かないですわよ。言っても聞き分けず、答えが返って来ないのですもの」


 正に、撃っても響かないとはこの事だろう。


 本人の話を目の前で、話されているのに。

 何も言わないままで、まるで他人事の様にただ、座るだけの息子を見つめる。



「父上?あれが、甘やかした結果です。被害者はパトリシア嬢ですよ?本人が認識するまでには、時間が掛かりますよこれは。全く悪いと思っていない様ですし、色々やってますしね?」


 第一王子のハインツが両親を諭した。

 そしてハインツが、言葉を続ける。


「まず、パトリシア嬢の件を何とかしないと、不味いのでは?こいつがやらかした事で、違約金が発生してしまいました。13年も彼女の時間をこいつが束縛した、にも関わらずなにもしていない彼女に、一方的に婚約破棄したのですから・・・」


 ま、その通りなのだが………成るべく穏便に済ませたいのが本音ので、金等出したくはないのだがなぁ………と、こ狡い考えをする国王であった。


 親子でクズな、様である。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る