*パトリシア幼少時代~3*

 父に抱き上げられ、私の頭を撫でてくれながら陛下に抗議する父が何とも逞しいと思った。


「恐れながら陛下…。私の娘をこの様に侮辱する為に、私達を呼ばれたのでしょうか?」

「そうですわ、いくら王子様とはいえ。余りにもこの子が可哀想ですわ。貴方これで失礼致しましょう」


 私を抱き上げたまま謁見の間を出ていこうとする。


「ま!まてまって欲しい。アデス宰相、今日婦人と共に呼んだのは。パトリシア嬢を第三王子の希望で、婚約を結びたいと思い呼んだのだ」


 陛下の話を泣きながら父に抱かれた状態で、理解した私は父の首にしがみ付いた。


「いや!絶対にいや、とう様いや」と父にだけ聞こえる様に訴えた。


 父も母も今の光景を見たのに何て事を、言うのだと思ったのだろう。二人で顔を見るだけで絶句していた。


「「!」」


 そして父が怒りを抑えて、話を始めた。


「恐れながら陛下。申し訳御座いませんが、そのお話は、お断りしたいと存じます。誠に不敬では在りますが、このお話は聞かなかった事にして頂きとう御座います」


 謁見の間を三人で出て屋敷まで戻った。



 後日、それでもどうしても私と王子を婚約させたいと、国王夫妻からの打診があり。断れず私の意思は無視され、王子と婚約をする事になった。

 私の思いは王家に踏みにじられた。


 父と母が私に謝るどうしても、国王には逆らえないと言った。まだ何も出来ないもう少し待ってくれと言われ。私も我が儘を言わずに従う事にした、5才の子供が親の頼みを聞き訳けた。


 それからが大変だったベルガモット家の、ために頑張った。前世の大学受験より私的には大変な時間だった。13年頑張ったのだ。

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