*パトリシア幼少時代~4*

 仮にも王子の婚約者ですが。

王家に入るつもりの無い私に、王妃教育が肩にのし掛かった。


 全く、何が悲しくて王室の歴史、作法、家系図、政、乗馬と、しっかり詰め込まれないと行けないのか。


 婚約者の王子とは全く上手く行かず、私の顔をみれば不機嫌になり避けられる。(何故私を気に入ったのかが未だに不明ですよ)


 こんな状態に誰が得をするのか?全くわからない。


 私には王家の考えが全くわからないままに、時間だけが経ってしまった。


 まだ子供の頃は軽く礼儀作法くらいで、済んでいたが。10才のプレデビュタントで正式に王子との婚約が、表に発表された。

 それから回りの目を気にするようになった。


 12才に成った頃から本格的なお勉が始った。 

 13才で学園に通い学園と王室の往復が始まり。

 自分の屋敷には寝に帰るだけの忙しい毎日だった。


 たまの休日に、兄達と遊ぶ時間が楽しかった。


 前世では大学に進学してたので、勉強は軽くこなせたが。ダンスレッスンと王室の家系図が覚え辛くしんどかった。


 その間あのお馬鹿さんは、何をしてたかって?

 遊びだそうですよ?剣の腕も磨かず。


 勉強が嫌いだと言い屋敷を抜け出し、護衛と城下町で遊んでいたそうですよ。


 私は部屋で専属の講師と、二人でお勉強ですよ。

 お陰で学園の成績は良かったですよ。

 あれと(王子)は違って。


 乗馬は王子が馬が恐いと泣き、逃げ出し私を置き去りにした。乗馬も嗜まなくては王子妃に成るのだからと、言い聞かされ乗馬のレッスンを受けた。


 お陰で今は乗馬も得意です。


 魔法の練習の日は楽しかった。


 全属性を持つ私が初級の魔法を、次々に軽々とマスターしたのが悔しかったのか。

 王子はさらに私に辛く当たったが、その内に魔法の練習日すら顔を出さなくなった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る