*パトリシア幼少時代~2*

 両親が、王妃に挨拶をしたので中に入ってきた人が王妃だと分かった。私もカーテシーをしながら挨拶をした。


「良く来てくれたわ。アデス宰相マリーン婦人それに、パトリシア今日は……」

「妃よまぁ待て、まだ息子を紹介しておらんぞ」

「あら?まぁごめんなさいね。ほらこっちへいらっしゃいな、ルーベルト貴方が我が儘を言うので、来て貰ったのよさぁ挨拶なさい」


 すると、ルーベルトと呼ばれた男の子が私の前に立った。


「ふん!おまえが、おれのこんやくしゃか?」


 急にお前と言われ婚約者と言われ、訳が分からず父の後ろに回り隠れた。


「おまえ、あいさつもできないのか、バカなんだな」


 るすと、王妃が王子の頭を平手で叩いた。


「いたい、ははうえ、いたいよ」

「な、何て失礼な事をご令嬢に言うの!馬鹿なのは貴方よ、ちゃんと挨拶なさい」


 ルーベルトは、母に頭を叩かれたのと叱られたのがショックだったのか行なり泣き出した。


 父の足にしがみつき隠れる私に向かって、睨み付け泣きながら私に暴言を吐いた。


「お前のせいで、ははうえにたたかれた。おまえがわるいんだ!」


 と叫び、何処かに走り去って行った。


 私は、いきなりお前が悪と言われショックで泣き出してしまった。


 泣く私を父が抱き上げて宥めてくれた。


「大丈夫だよパトリシア。お前は父様の自慢の娘だ、可愛くて頭の良い。自慢の子だよほら、涙を拭きなさい」


 母がハンカチを出して涙を拭く。


「ほらパトリシア、お顔を見せて」


「ヒック、ヒック、お、おとうさま。ほんとう?シア、ヒック、おかあさまぁヒック。あ、あのこ、こわいヒック」


 いくら前世の記憶があっても、合っていきなりの暴言だったのでビックリして、5才児の年齢に引っ張られてしまい、ガン泣きしたのを覚えている。


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