第2章

*パトリシア幼少時代~1*

 お父様とお母様が帰りの馬車に同乗しております。

 何故かしら?帰りは、お母様が同じ馬車に同乗してきましたわ。私を心配してなのでしょうけれど…………。

 お二人とも、私になにか言いたげな様子ですが声をどう掛けようかと、思案中なのですかね?お二人をお見かけするところ。


 ですが私は、私に声を掛けるな!と。

 オーラを出して居るので気まずい雰囲気の、馬車の中に居る父と母は、気を使い声を掛ては来ない。

 パトリシアはこれ幸いにと色々考える。

 せっかく、綺麗に着飾ってクラスメートと学生最後のパーティーを楽しく過ごす!つもりで居たパトリシアだが『第三馬、ゲフン、王子』に邪魔にされて、台無しに成ってしまった。


 ば…ゲフンゲフン…。

 お間抜けだとは思って居たが。

 やらかしてくれましたねぇ~!どうしてくれようか。

 私としては関わりたくは無いので、お父様とお兄様達に任せて途中経過だけを、教えて頂ければ良いなぁ~?なんて。卑怯な事を思って居ります!はい!

 良いですよね?今まで大変だったんですわよ。



☆★☆★



 私が5才の時にいきなり、両親に王宮の謁見の間に連れて行かれ。私と同じ年位の男の子に会わされた。

 あれはショッキングでした……。

 今思い出すだけでも…涙が…。

 おっと!イケナイ!


「本日は、陛下のご命令で伺いましたが。出来れば、家族を呼ぶのはやめて頂きたいですな?陛下!」

「貴方、陛下に失礼よ!申し訳御座いません。ご挨拶が遅れました。お久しぶりで御座います」


 母が、陛下にカーテシーをする。


「王様、こんにちは……」


 私は母の真似をしてたどたどしく、カーテシーをしたのを覚えている。


「良く来た。アデス宰相すまぬな?そしてマリーン婦人とパトリシア、だったか?よく来たな」

「有り難うございます陛下。本日は、どの様なご用向でございましょうか?」

「うむ、用と言う程の物ではないがな、私の末の息子を紹介しょうと思ってな。おい!」


 すると、謁見の間の王が座る後ろからメイドと、王妃と5才位の子供が現れた。


「「これは王妃様、ご機嫌麗しゅうございます」」


 両親が慌てて挨拶をした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る