第19話 報告と、追い詰める為の……。

 一方………叔父のハンスは?


「兄上、失礼しますよ?」

「ああ、ハンスか、どうだった?パトリシアは仕事したか?」


 パトリシアからしてみれば、仕事と言う仕事では無いのだろうが………?


 ハンスが執務室に入ると、アデスと執事のクレオだけが部屋に居た。(おや?アルクは……)


「ええ、見事ですねぇ~?あの能力は……あれは外に出せませんね?」


 外に出した途端に国が傾きそうだ……。

 彼女が、男でなくて良かったのか?悪かったのか?分かりませんね。


「そうなのだよ……他の家(貴族)には、嫁には出せないからね?誰か此方に入ってくれる者が居ればな……?そして、ちゃんと任せられる相手が居れば良いのだがなぁ~?」


 ましてや、婚約破棄されてしまっては中々難しいのだろう。全く……厄介な事をしてくれた。

 私のかわいい娘に、傷を付けやがって!

 慰謝料白金貨150枚等と値切りおって、あんなはした金では気が収まらない。

 ……それに本人も暫く、結婚等はその気はにはならんだろう。


「フフフ。頭の痛い事ですよね?ですが彼の御仁の申込は?どうなさるのか?」

「ああ、あれは……パトリシアに、その気があれば考えるが…如何せん。余りにも突然で強引過ぎでな……?考え中だよ」

「そうですか………」


 あの美貌に才能………他の貴族達が放っては置かないかも知れませんねぇ……。


「さて、兄上。パトリシアの事は置いておいて、賊の話しですよ兄上?」

「ああ、そうだったな?報告してくれ」

「先ず。父上達が送り込んで来たのは。パトリシアが言うには、全部で50人もいるそうですよ。内訳は、兵士15人、城の料理人の10人、兵舎の料理人5人とメイドが4人と執事5人。そして馬番に5人の全部で44人それと、先に捕らえた6人の併せて50人だそうですよ」

「はぁ………50人ね?新しく雇い居れたのが200だったか確か?」

「ええ、そうでしたね。1/4ですよ?よくもあの門を、掻い潜れた物ですねぇ~?」


 あの門…城に入る城門、あれにはパトリシアが作った特殊結界の魔石が仕掛けてある。


「冒険者ギルドのギルマスを呼んで、事情を聞かないとな……。全く、いくらつぎ込んだのやら?」


 あの人らは……そんなものに金を使うとは、自分達の老後はどうするのか?

 私達に泣き付いて来られても迷惑極まりないぞ。


「ですが……兄上?何故そうまでしてあの人達は、パトリシアを嫌うのですか?私は、兄上達と入れ違いであの屋敷に戻ったので、詳しくは知らないのですが……?」


 あんなに利発でかわいいのに?


「……まぁ、お前には話して置かなければならないか……」

「ええ、訳が分からないですと、積めようも無いですから……大丈夫ですよ?パトリシアはかわいい私の姪ですからね?話も秘匿しますし?」

「察しが良くて助かるよ、ハンス。なら話すが……ね?」


 ………あれは………パトリシアが3才を過ぎた頃だったか……?

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