閑話 国王side 3 王子ざまぁ カウントダウン 3

 馬車が王城まで着き、三人で王宮に入って行くと第一王子のハインツと、第二王子のクレールが両親の帰りを迎えた。


「父上、母上?随分とお帰りがお早いご様子ですが、如何致しましたか?」

「その様ですね?まだ学園の催しが終わるには、些か早すぎますね?」


 チラリと両親の後ろに立つ、弟を見てクレールは驚き冷ややかな目を向ける。


「父上?何故、あれが一緒なのですか?」

「クレール、聞くな。だが………話さなければな。皆、私の執務室に移動するぞ」

「「「ええ、全く」はい!」」

「…………」

若干一人は返事もせずに、家族の後ろに着いて歩く。


 そして、父の執務室に家族と執事とメイド達が入っていくが………若干窮屈になる。


「ダラス!妃達に茶を出したら、お前以外は部屋から出るように」

「畏まりました陛下。では、お支度を致しますので、少々お待ち下さい」


 そして、家族の前にティーカップを置くとダラス以外が部屋を退室していった。


「さて落ち着いた所で・・・あれの話だ」


 あれ!と呼ばれたルーベルトは、自分の事とは思って居ないのか?呑気に出された茶を飲んでいる。


「まぁ……本当に、呑気だわねぇ………」


 ルーベルトを見た、母が呆れる。


「全くですね?それで父上、如何致しましたか?」


 母上と、ルーベルトを一緒に見たが全くその通りなので同意する二人の兄達。


「呆れて物も言えないがな?あれが、いきなり卒業パーティーに現れて、パトリシア嬢に婚約破棄等と・・・抜かしおったのだよ」

「そうなのよ?可愛そうに、パトリシアは泣いていたわ」

「何と!そんな事が……で、ですがあれは本日招待も、されてはいないはずでは?」


 何故卒業も出来ぬ者が会場まで行ったのか?


「ええ、会場に入る時に、受付の者と揉めたと聞いてるわ」

「「はあ?」恥ずかしい!」

「何と嘆かわしい、これが我が弟とは。それでパトリシア嬢と、婚約破棄ですか?」


 何ですかそれは?


「そうよハインツ、全くなんて事かしら。幼い頃に無理やり婚約者にして、束縛だけしてパトリシアに、優しい言葉すら掛けずに、時間だけを無駄に過ごさせて。挙げ句に婚約破棄等と・・・どれだけ王家に、恥を掻かせたら気が済むのかしら!ルーベルト!」


 行きなり声を掛けられびっくりする。


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