閑話 国王side 4 王子ざまぁ カウントダウン 4

「ルーベルト!あのピンクの頭にお花が沸いた様な、ご令嬢は何処から拾って来たのかしら?」

「ピンク……花が?エミリアの事ですか?母上!」

「そう、それよ!」

「『それ』?酷いではないですか。エミリアは私の婚約者ですよ」

「「「「はあ?」」」」


 馬鹿だ……それしか言えないが………愚かにも程があると家族全員が思う。


「ルーベルト、それは?誰が決めたのかしら?」


 顳顬に血管が浮き上がる程に激怒する。


「私が決めたのです!」

「では、パトリシア嬢は、どうするのかしら?あのお嬢様も、お前が我儘を言って自分の婚約者にしたのに?」

「ですから、婚約破棄すると!申しましたよ?母上……お聞きでしたよね?」


 ニヤリと笑うが、何処に笑うところがあったのか?


「何を笑って居るのか知らないが、ルーベルト母を馬鹿にするなよ!妃は私の妻で、お前が馬鹿にして良い者ではないぞ!」

「全くですね?自分の母を馬鹿にし、笑うとは何て恩知らずなのか」

「ですが父上。ハインツ兄上、母上は私を馬鹿にしました!」

「ぶっ、ハハハハ。何て、馬鹿な男なんだ?これが弟?まさか母上、これは駄目ですよ」

「クレール兄上、私を馬鹿にするな!何を笑うんだ」


 すると、笑いを止めて真顔でクレールがルーベルトに向かい話し出す。(果たして、ルーベルトに通じるかは謎だが・・・・)


「笑って何が悪い?ルーベルト?学園の授業はサボり続け、出席日数も足りてないよな?」


 ギロリと、クレールに睨まれルーベルトは小さくなる。


「あ、兄上には関係がない……」

「そうか……?学園での試験の成績は毎回最下位で、3年間全ての試験が最下位。剣術、魔術の成績も最下位。留年確定のお前が学園の卒業式に出席など、出来る訳がないのに?」


 クレールの話を、聞きながらハインツは思う。

 良く恥ずかしくないな?俺なら………考えただけで吐き気がする。糞だな!


「挙げ句……卒業パーティーに無理やり乱入して、他の卒業生の祝いの場を汚した者を、なぜ笑ってはいけないのだ?卒業生達に謝れよ馬鹿者が!」


 クレールが激怒する。


「全くだ、そして妃が言って居た通り。どこぞの令嬢を連れてパトリシアを、愚弄するとは」

「あ、あれは………エミリアが、パトリシアから嫌がらせを受けたと、泣いて訴えて来たので」

「それは、ちゃんとお前が真実を確めた上での話しか?ルーベルト?」

「し、調べていませんよ?そん無駄な事はしません」

「無駄で片付けて良い話では、ないだろ?」

「そんなことは、知りませんよ?それにパトリシアに聞けば知らないと言うのは、当たり前ですしね?」

「確認もしないで決めつけるなよ!お前本当に馬鹿だな!」

「パトリシアには聞きましたよ?知らないと惚けてましたがね?あの女は!ですが……あの女が知らぬ振りをしていただけで、エミリアが正しい」


(嘘ばかり並べられて、それを鵜呑みにして碌に調べもせず。信じきって……馬鹿にされて居るのが分からないのだな。全く愚かだよなぁ~)クレールは、声に出さずに思う。


「それなら?ルーベルト!パトリシア嬢に対する、詫びとしての違約金はどうするのだ?お前自信で責任取れるのか?」

「ハインツ兄上、違約金と責任?何ですかそれ?違約金てなんですか?」

「ぶっ、ハハハハ本当に馬鹿なんだな、ハハハハ」

「クレール、話がフフフ、進まないハハハハ」


 兄弟二人は笑いが止まらす笑い続ける。


「ハインツ!クレール二人とも、笑ってる場合ではなくてよ………」


顳顬に指を当てて話す母が、若干トーンダウンしている。どうやら疲れたようだ。

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