第18話 それでは…打ち合わせです。

「それでは、何方から始めましょうか?」

「先ずは私から。私は父上と、エンバル殿と話を少しだけしました」

「ああ、クロノスそうだったね。あの御仁からは、中々本音が引き出せなかったが。どうやらパトリシア」

「な、なんですの?伯父様」

「君が、目当てのようだぞ?」

「それなら此方も。隣国の王子と少しだけ話しましたが。しつこくパトリシア、貴女の事を聞かれましたよ。それにあの方は第5王子だそうです」

「そ、それは…何とも」


 そんなこと知らないわ!

 というか、そう言う話しならすぐにお帰り願いたいわね。


「パトリシア!気を緩めるなよ、気を付けろよ?」

「あら、何に気を付けますの?そう言うお父様達は?イリアと、マリエール達のお父様達はなんと?」

「あの、お二人は商売の話しだ」

「は?商売ですか」

「ああ、前にお前が渡したと言う傘を、領地に卸してくれと頼まれたよ。他にも何かありそうだがね?」

「そうでしたの、それでどうしますの?」

「ま、話し合いだな。金が絡むからドワーフ達を交えてだな。ハンスとも相談だしな」

「ま、そうだね良い話ではあるよね?ククク。パトリシア君は、案外商売センスがあるのかな?」

「知りませんわよ?私は好意でイリアに傘を譲ったのよ?」


 良いお話に繋がるなら良いけれど。


「まぁ、シアの事だから。そうだろうね?それで兄上、ダルト殿はなんと?」

「ああ、ダルトはここに移住したいそうだ。私の片腕だったからね奴は。律儀にここまで追いかけて来たそうだ」

「お父上と同行されたのは?何故か聞いたかね?」

「家族で移住を考えるそうだよ?領地は妹の夫が引き継ぐらしい。だから良い話だし、私の仕事も、手伝いたいと言ってくれたよ。だから、その申し出を受けようと思う。奴は、中々の手練れだからな!変わらずに、私の片腕に据えようと思うが。父上よろしいか?」

「良いぞヴァンス、お前の好きに動け。そして私の力に為ってくれよ?」

「はい!喜んで!」

「私の空席の宰相は、ダルト殿の父ルドルフ殿に任せたいしな!ハハハ」


 おや?お父様お考えを改めたのかしら?

 それともなにか情報を掴んだのかしらね。

 フフフこれは面白く為りそうだわ。


「ま、待って欲しい!で、では?我々は、なぜこの地に呼ばれたのだ?」

「そうでしたね……義兄上達は……相談役として私達の力に為って貰いたいのだが。よろしいかな?」

「そ、相談役だと?私達は領地を出て……」

「……それは、そちらの勘違いであろう?」

「マリーンは、義兄上には文を出したが。ほんの数ヶ月、此方で力を貸して貰えないかと、伝えたのだが……。私達は一家で来られてくれとは、伝えてはないのですがね?」

「そ、それは……」

「ですが、もう此方へ来られてしまい。屋敷も建て定住成されるのなら。そうですねぇ…除爵をしませんと、箔が付ませんな?それでしたら、伯爵位もしくは侯爵位等は如何ですかな?領地をお持ちではないですが。私の義兄にあたる方ですから」


 特例ですよ?と、お父様が仰られてる。

 お父様……何気に怖いわ。


「そ、それは無いであろう?私を馬鹿にするのか?」

「馬鹿になどしてませんが?寧ろ頼りにしてますよ?これからが大変なのですから。まぁ、元々の政策は安定してますから?そう追加をすることもあまりありませんが。国に為りますからね、法を少しだけ変えませんと為らないですが。より良い国を作らないと、為らないのでね」

「そ、そうか、頼りにされるなら!協力しようではないか」


 フフフ!お父様伯父様を上手く丸め込めたわね!

 なら私は、そろそろお部屋に戻りたいわ!良いかしら?


「そ、それでは。私達兄弟はなにを?私はヴァンス従兄上の仕事を、手伝いたいと思ってたのですが…」


 クロノスさん!無理よ虫が良すぎませんか?


「クロノスは、無理だぞ?お前が私の仕事の手伝いなど!」

「そうだな、シアを敵視した愚か者は無理だな。兄上の仕事の手伝いたい?兄上も私も、人に会う仕事がある。偏見を持たない人物がいいしな。お前達兄弟は不適合だな。全く図々しい」


 お兄様辛辣過ぎますわよ?なに煽ってますか!

 ここは泳がさないと!


「まあ、そうだな。私のかわいい妹を、馬鹿にするような者は遠慮願いたい」

「それは、謝ったではないですか!私はヴァンス兄上に憧れてて……」

「まあ、働きを見るチャンスは与えるよ?クロス!機会があればだがな?」

「皆、そんな話しは後だぞ!」

「「「「なんですか?兄上」父上」まだなにか?父上」……」

「これからの、予定を立てるぞ!日程を決めないとな、このままずるずると、話せばまた話が脱線するからな」

「それもそうですね、なら予定を組みますか?兄上」

「でしたら先ず、隣国の王子からですかね?父上」

「ああ、そうだな。全く王子とは……」


 クロノスさんを全く無視して、話が進みます。

 そして………話しが纏まり予定が組めました。

 これを、後でお相手にご連絡するだけです。


「ならこれで、今日は解散するぞ。皆、長々と付き合せてすまんな。明日からも宜しく頼むぞ」

「ああ、任せてくれよ兄上。では今夜はこれで」

「ふぅ、仕方ない!では戻るぞ。クロノス、ライアンいくぞ!」

「分かりました……」

「承知しました」


 そして私達親子だけが部屋に残った。

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