第11話 パトリシアの独立?

 スタスタと廊下を歩いて、元の部屋の扉の前に立ちノックをして、中から返事が返って来るのを待つ。


「誰だ!」

「パトリシアですわ!中に入っても宜しいでしょうか?」

「………入りなさい」

「失礼しますわ。おいでルト、ルクス」


 入室の許可が出たので、チビッ子達と一緒にお母様と部屋に入ります。


「失礼しますわ。お祖父様、お父様?今宜しいでしょうか?少しお話がありますわ?」

「どうしたね?パトリシア?それにその………」


 お祖父様が、チビッ子達に目を向けて固まります。あ!此方も駄目ね………。


「シア。お前、食事をしてたのでは?」

「そうしたかったのですが……。お婆さんからチビッ子達を追い出せと、言われので出てきました!」

「お、お婆さん?」

「……お前の母が一緒に居るのにか?」


 アレクお兄様とお父様が、驚いて居るけれど………。

 あのお婆さん、お母様が居ようが居まいが関係ないと思うなぁ~?


「ええ。ねっ!お母様?」

「パトリシア………貴女、ねって………何かしら?」

「え!まさかお母様は、私の味方をして下さらない、おつもりなのですか?」


 私は間違っては、無いわよ!


「パトリシア!」


 すると、誰かが私を怒鳴る。とその声にチビッ子達が反応して恐がります。


《《こ、恐いよぉ~あるじ》ごしゅじん》


 チビッ子達が、恐がり私に抱きついてくる。


「お祖父様!大声を出さないで下さいませ?この子達が恐がって居りますわ!」


(ごめんなさいね?影に入る?)

《《うん》でも……ごしゅじん大丈夫?》

(大丈夫よ?二人とも良い子ね)

《分かった。影にいるよ……》


 そう言って二匹が私の影に入る。


「ひぃ!」


 誰かしら?恐がったのは……あぁ~!祖父ね?


「お祖父様?今、恐がりましたの?大丈夫ですわよ?ホホホ。案外情けないのですわね?」

「ば、馬鹿を言うでない、恐がったりしておらん!パトリシア!あれは一体なんだ!あんな生き物を、屋敷に持ち込んでからに!」


 あ~アウトですわね………。

 祖父に祖母……優しい方だと思いましたが。

 ………これは無理ですね。

 多分私とは、話しが合わないでしょう。

 やっぱり第一印象って大事よね?


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る