第36話 領地へ サンドバック

 う、煩い!!私は殿下の側近だ!何の文句がある!」


 あ、これは……駄目だわ!無いわぁ~!

 可哀想だなぁ~クレマンド殿下……。


「パトリシア嬢?今私を、可哀想と思ったね?」

「え?い、いえそんなことは。オホホホ」


 あら?勘が良いわねぇ~。

 ですが、普通はそうなのかしら?今まではバカ(おっと本音が)な王族としか、接して来なかったので。いまいち分からないのですが。


「笑っても誤魔化されませんよ?」

「そんな失礼な事は思って、居りませんわ。さて、話が随分と脱線しましたわね?」

「あ、話を反らしましたね?ハハハ」


 こ、怖い若干目が笑ってない!ごめんなさい。


「い、いえ、話を元に戻しますわ。この小袋は不味いですわよ?クレマンド殿下。これは馬車の何処に有りましたか?」

「トリマン、何処にあったのだ?」

「確か馬車の一番後ろ、そう……外側の後ろに縛られてありました」

「これは、【魔物寄せ】の、粉ですわよ?だからあんなに多くのコボルトに、それもキングクラスまで引き寄せて襲われたのですね?」

「な、何だと!!トリマン知っていたか?」

「私が知るわけ………ケレス?お前知って居たのか?」

「わ、私は、知らない、なんの事か?」

「あぁ、因みに。お惚けに成るのも大概にして、下さいませね。ケレス様?これ貴方の持ち物ですわよね?」

「し、知らんと言っているだろ、女!」

「全く、なんて無礼なのかしら?」

「すまんな、パトリシア嬢。こんなに愚かだとは………弟に頼まれて、側近にしたのが間違いだったな。おい、ケレス誰に頼まれてこれを、馬車に持ち込んだ?行きは無かったな?では、帰りのどのタイミングで、これを馬車に着けた?私の命を狙ったのか?」


 親類って、兄弟だったのねぇ……小国の御家騒動かしらね?怖いわぁ~。


「し、知らない!」


 と言って走って逃げ出したが……。

 ああ、そっちは……アレクお兄様の方に逃げたら……。


「おい、アレクそっちに行ったぞ!好きにしろ!」


 と、ヴァンスがアレクに許可をだす。

 あら?何気にヴァンスお兄様たっら、怒(オコ)だったのかしら?まぁお兄様ったら♡


「えぇ!兄上。他国の方をいいんですか?」

「クレマンド殿下、宜しいですか?」

「あぁ、構わんよやってくれ!あぁ、息の根は私がが刺すので、その手前で止めてくれると。助かる」

「承知!!」


 と言って、走って逃げる男をとっ構えて!アレクお兄様が、ストレス発散のサンドバック上等で、殴る蹴るをかましている。

 私達はそれを観もせずに、食事を再開する。


「パトリシア嬢これ旨い!真似したら行けるな!!」


 焼き肉サンド!美味しいでしょ?


「少しはしたないですが、これが外の食事ですわね?美味しい!!あ!お水飲みますか?」

「いや、水よりワインはないかい?」

「ワインですか……」


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