第51話 ドワーフの仕事。
ルトが不貞腐れしまったわ、後でちゃんとフォローしておかないと……。
「おや?使役している子達が散って行ったね?もしかして……パトリシア嬢は、使役している子達と会話が出来てるのかい?」
「ええ、2匹の子達と会話が出来てますわ。……後の子達は私が話す言葉は、分かるらしいのですが……。私の方はさっぱりですわ」
「ハハハ。会話が出来てるのなら、良いじゃないか?私なんてさっぱりだよ。なんとなく言ってる事が分かる程度だ。まぁ、私の言うことは聞いてくれるから、困ってはないがね?それにしても……、私は自分の従魔を影には入れる事は出来ない、どうやるんだい?」
「さぁ?何でか出来て仕舞いましたのよ」
……私に聞かれても説明が出来ないわ。
「そうか……。コツを聞きたかったのだが……」
「コツなんておっしゃられても。私はさっぱりですわ」
「そうか……なら仕方ないかな。それなら温室を案内して貰おうかな?」
「そうですわね?遅くなると予定が押しますわね?」
「ああ。そうだね」
そして温室を殿下と二人で見て回る。
途中に殿下が立ち止まり、私に質問をしてくるのでその問いに答えていく。
「パトリシア嬢。これは何の木だい?」
「これは桃と言いますわ。ピンク色の花が咲いて、実が生るのです。木の葉は煮出した汁を、肌に付けると汗疹に効きますのよ?」
「そうなのかい?桃と言うのかい?あ!彼方の木は、実が生ってるね?」
「ああ、それは。殿下も御存じでは?リンゴですね」
「リンゴ……ああ、あの赤い実がそうかい?」
「ええ、ここはこの二種類だけですわね。他の温室もご覧になりますか?」
「ああ、行こうか。楽しみだ」
見学だけだからつまらないと思うけど……?本当に良いのかしら?
「それにしてもこの温室?というのかい?この建物は凄いな」
「ええ、ガラスと鋼の棒で出来てますわ」
「ガラスか………私の国には、少し贅沢だな。それにこの透明さが見事だね?」
「ええ、ベルガモットの領地に居るドワーフの力作ですわ」
心が痛い……でもドワーフのおっちゃん達も出来るわよね?
「そうか、城の窓ガラスもそうなのかい?」
「え?ええ、そうですわ。それがなにか」
「いや、この領地に職人を連れて来て、勉強させたいと思っているのだが。それは……駄目だろうか?」
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