第50話 チビッ子達の我が儘。
「所で?」
「なんですの?」
「その猫は、君のペットかい?」
「ええ、そうですわ私の使役する子ですわ」
「そう……可愛いね?未だ仔猫かい名は?」
「仔猫のリズと言いますわ」
「にゃ~ん♡」
膝に乗るリズがストンと、下りて殿下の足にすり寄る。
「お、かわいいな。お前リズって言うのか……パトリシア嬢触ってもいいかい?」
「ええ、リズが逃げないなら触って良いですわ。殿下動物は、お嫌いではないのですか?」
「ああ、嫌いじゃないよ?何故そんな事を聞くのかな?」
「いえ…王族の方や貴族の方は、動物を毛嫌いされる方が多いと思いまして」
「……そうか?そうでも……あるね?」
「フフフ。ですわね?ならそのまはまで良いので、温室に向かいませんか?なんでしたら私の従魔もお出ししますわよ?」
「従魔……貴女は従魔も使役してるのかい?」
「ええ、恐いですか?」
「そんなことは無いよ?私も使役する従魔がいるからな。今回は連れて来れなかったがね」
「まぁ、そうでしたのね?それなら何にも隠す必要は有りませんわね?殿下」
「ええ、ドラゴンを使役してる等と言われたら少し引きますがね?フフフ」
「それは、流石に私でも引きますわね?」
殿下と、話をしながら温室に向かっていたので温室に付けば、グレンが扉を開いてくれて殿下を招き入れる。
そのついでにチビッ子達を影から呼びだした。
「ルト、ルクス、みんな出ておいで」
私が呼ぶと影の中からルクス達が出てくる。
《呼んだ?ご主人》
《あ!ここで遊んでいいの?主》
(良いわよ。でも、殿下に御挨拶が先かしら)
でんかって……だれ?
(私の隣に立つ男の人が、ジーク殿下と言うのよ?)
《王子様なの?》
(そう王子様よ)
《……ふぅ~ん……》
な、なんでそんなに素っ気ないのかしら?ルクス?
「パトリシア嬢。この子達全部が、君の使役する子達かい?」
「ええ、多いので大変ですが。そうですわ」
「何か温室を案内して貰うよりは、この子達と遊んだ方が良さそうだね?お、君は見た事が無い子だね?」
と言ってルトの鼻先に指先を出して匂いを嗅がせるような仕草をする。
(あら、慣れてるわ?)
「フフフ。そうですわね?ですが、ちび達は勝手に付いて来ますから、気にしないで下さい。それに、何か気になる物があれば聞いてください。ここは、私が育てて下りますのよ」
話していると、ホワイが私の側に来るので抱き上げるとそれが羨ましかったのか他の子達が私の側に寄ってくる。
ええっと……皆で抱っこなの?困ったわね。
いつもなら、お兄様に半分の子達を任せるのだけれど……今日はいないのよね。
「ククク。パトリシア嬢………君囲まれてて……」
わ、笑われてしまったわ。
「なんですの?ジーク殿下笑わないで下さいませ」
「い、嫌………何でもないよ?ククク」
「チビ達は……抱っこが所望みたいなのです。いつもでしたら、お兄様に半分をお願いするのですが。……こ、こら、ルクス足に乗らないで痛いから!」
ブーツの上から足を前足で踏んでくる。
地味に痛い。
「ククク。良ければ、私が半分は受けようか?」
「い、いえ。殿下にその様な事は。それより、何か気になる物でも有りましたか?」
「温室の木々や植物よりもね、今の君の状況が気になるのだけれど。ククク」
カイとルトが肩に乗り、グランとホワイを抱きルクスが足元にいるし。
おまけにリズも殿下から離れて、私の共に来て足に二匹で纏わり付く。
………動けない。
「君達………温室で遊んでて、ね?」
《《《《嫌だ!》ご主人と遊ぶ》》》
「嫌だとかではなくて……。ほら、お客様が居るからね?後でちゃんと遊んで上げるから。今は私以外の場所で遊んでてくれないかしら?」
《《仕方ないなぁ》なら遊んで来るよ。皆行くよ》
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます