第44話 領地へ 和食のお味は?

 そして、アレクお兄様用の水を手にして席に戻るとヴァンスお兄様も、同じ席に座っていた。

 あら?三兄弟?(違うけれどね?)

 三人共イケメンで絵になりますね~?


「お兄様。お水ですわよ」


 と言って、渡し受け取ったアレクお兄様にニコリと笑ってお礼を言われた。


「シア、水ありがとう」


 普段礼などあまり言わない癖に、どうしたのかしら?


「いえ………どういたしまして」ニコリ。


 すると、ヴァンスお兄様が自分の分は?と聞いてくるけれど……。


「パトリシア?私には?」

「えっと~、少し待ってて下さいませ……」


 そう言って、また席を立った。

 ハァ~私はメイドかしらね?

 ぶつぶつ文句を、良いながらグラスにレモン水を入れて席に戻る。


「ヴァンスお兄様どうぞ、お水ですわ」

「ありがとう、パトリシア」

「いいえ、どういたしまして?」


 すると、メイドが人数分の食事を持って現れた。

(勿論、ルクスとルトの分もですよ)


「お待たせしました致しました。お食事でございます」

「おお、今日は和食だね?」

「そうですわ、ヴァンスお兄様。和食にしましたわ、美味しそうですね?」

「パ、パトリシア嬢?これは食べ物なのかい?」

「え、ああ、殿下は御存じ無いですわね?これは和食という、我が家独特の料理ですわよ?」

「そ、そうか?これは?」


 といって、御茶碗を持ち上げる。


「これはご飯というものですわ。穀物の殻を剥いて、鍋で炊いたものです。ご抵抗があるならこちらに、パンがあるので。そちらを、お召し上がり下さいませ?」


 ソーセージと、卵料理もありますし。

 説明を、終わらせて食事を始める。

手を合わせて頂きます。ん~しじみのお味噌汁美味しいわ。

 和食に舌鼓を打ってると、またクレマンド殿下の質問が始まった。


「パトリシア嬢?」

「なんですの?クレマンド殿下?」

「こ、これはなんだ?」

「ああ、お味噌汁です。えっとスープですわよ?一口お飲みになっては?」

「え、ああ……」


 恐る恐る側にあったスプーンで味噌汁を掬い口に運んで啜る。


「……ん?」


 するとまた、口にする


「んん?旨いぞ?これは!という事は?これもか?」


 スプーンで今度はご飯を、掬い口に運ぶ。


「ん~、これは。軟らかいが……味がないのだな?でも仄かに甘い……な?」

「ええ、味がある調理法もありますが。まだ朝ですので、白く味の無いままにしましたわ。それに、ほかの料理にも合いますでしょ?」


 そんな話をしていると、アレクが段々不機嫌になりシスコン発揮する。


「シア、話して無いでちゃんと食え!」

「え?アレクお兄様?そ、そうですわね。食事の時間が伸びてしまいますわね?」フフフ。

「すまんな、パトリシア嬢。一緒に食べよう」


ニコリと笑う。


「ええ。そう致しましょうか……?クレマンド殿下」

「っっ、シア!」


 と言って声を荒くする。


「な、なんですの?アレクお兄様?」


 びっくりさせないで下さいませ。

 一体なんですの?


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