第45話 領地へ 焼きもち?

 フフフ、と一連のやり取りを見ていたヴァンスが笑って言う。


「パトリシア、気にするなよ?アレクの焼きもちだからな」

「あ、兄上!誰が焼きもちなんて!!」

「まぁまぁ、まず食事をしてしまおう?な、アレク」


 遅くなると言うことね?それは賛成ですわ。


「う!済まない。クレマンド殿下、遅くなると予定が押すな……?」

「いえ、お気に成らさず?旅先で賑やかに美味しい物が、食べれるだけで贅沢ですよ。我々の昨日迄の食事を考えたら……天と地ですよ」


「そう言って頂けると、有難いですよ。これから暫く私達と動向に成ります。慣れて頂ければと思います」

「ええ!まだ驚く事があるのですか?それは心が待つかな?アハハ」

「まぁ~それでは殿下を驚かせ無いように、気をつけませんとね?」

「シア!それをお前が言うのか?」

「まぁ~何でんすの?私が原因見たいに仰るのね?アレクお兄様?」

「「違うのか?」お前しか居ないな」 


 し、失礼ですわよ!

 ……まぁ否定は出来ませんが。


「ク、ハハハ。な、仲の良い三兄妹で羨ましい限りですね?私の所とは大違いですよ」

「ハハハ、お恥ずかしいですね?私も弟も妹が、かわいくてね」とニコリと笑う。


 ヴァンスお兄様!やめて下さいませ。

 恥ずかしですわよ!


「さぁ早く食事を終わらせ、てしまいませんか?」

「ああ、そうだったね?シア」

「ええ」


 ニコリと笑って、食事を再び食べ始めた。

 そして、アレクお兄様とクレマンド殿下の一行が私達の夜営地より後ろに、馬で向かう準備を始めた。


「パトリシア嬢、昨日話した枷は有るだろうか?」

「ええ、ここに御座いますわ。どうぞお持ち下さい。取り敢えず鍵も御用意したしたが……」

「ありがとう。だが、鍵ねぇ。要らないな」


 枷のみを受け取り、鍵は要らないと言うクレマンド殿下。


「シア待て、私が預かる」

「え?アレクお兄様?鍵など如何しますの?」

「あの男、昨日散々私達をバカにしたからな。まだ少し足りないと思ってな。ククク」


 アレクお兄様まだ腹の虫が治まってなかったのね?怖いわぁ~。


「では、お兄様お預けしますので。お好きにどうぞ?」


 鍵を渡して一行を見送る。勿論騒いだ男は枷をされてロープで縛られ、馬にも乗せられずに引き摺られて一行が向かって行った。


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