第13話 パトリシア、切れる。

「シア!今なんと言った!」

「アレクお兄様?聞いてませんでしたか?」

「シア!私は、今の言葉を!確認してるんだ!」

「ですから!ちゃんと、聞いてくださいませ?あの子達は神様から預かった子達です!」

「ふん!馬鹿馬鹿しい」鼻で笑って私を馬鹿にするじいさん………ムカ!


 だが……その一言を、お父様が無視して私に話し掛けます。


「「「「パトリシア……それは、誠か?」」」本当なのか?」

「まだ、疑いますの?」


 若干一名のお爺さんは、馬鹿にしてますが?

 まぁ、そんな方は知らないわ?天罰でも貰えば良いわ!フン!


「シア………お前。そういう事は最初に言えよ?ルトもルクスも私達も家族だと思ってるぞ?」

「知ってますわよ!だけれど……悔しいです!あんな物とか!獣とか、汚らわしいとか言われたら腹が立つのは、当たり前ですわよ!しかも、あの子達の食事も、出して貰えないなんて」


 悔しくて、涙をこらえて聞かれた事に返事をする。


「すまん、パトリシア。分かった、分かったよ。そう、泣くな?父上、どうも貴方はパトリシアを昔から、毛嫌いしてましたが……パトリシアが居たから、この領地が潤って居ることをお忘れか?」

「い、いや、それは、忘れておらんが…。だがな、ここは私の屋敷だ!」


 あら?先程のお婆さんの話とは違いますわね?


「ですが……、この屋敷で苦労なく暮らせてるのは?誰が色々な案件を、言い出したからですかね?パトリシアが生まれてからは、この領地の暮らしが良く成ったのを、お忘れか?衣食住が良くなったのは?」

「………くっ!」


 爺さん悔しがれ!私はもう貴女達を身内だとは思わないわ!

 自分で言い出した案件とやらは、……全く覚えて居りませんが!


「分かりました。では、残念ですが私達はパトリシアが今、欲しがった土地で暮らします。王都の中心もそこにします。父上と母上は、御隠居なさっててください!後は、私達と親族で取り仕切ります。では、私達はこれで。あ!後、お客人達も呼んでくれますか?此方で面倒を見なくては、成らないので。さぁ、ヴァンス、アレクお前達先にパトリシアと行きなさい!」

「父上、承知しました。では、パトリシアの馬車と私の馬車2台で行きます!後は頼みました」

「ああ、遅れるが宜しく頼むよ?パトリシア?無理するなよ?」

「大丈夫ですわよ?お父様?全て私に任せて下さいませ?」

「さぁ、シア。行くぞ!グレン!アイザック!出るぞ!」

「マルス!馬車で移動だ!用意しろ」

「「「畏まりました。」」少々お待ちを?メイドは如何致しますか?」

「メイド達は、後からでいい!」

「了解しました!」


 バタバタと走り、馬車の用意と御者を呼びに行く執事達………ご免なさいね?私の我が儘です。


 後で、落ち着いたら全員に謝らないと……。

 シュゼワーグ神様もご免なさい?

 でも………もう少し落ち着けないかしら?

 私は幸せに成れるのかな?まぁ、日本人だった頃より断然此方の方が幸せですが………。

………少し落ち着きたいわ!



 もう、お馬鹿さんを、相手にするのは疲れますもの……。


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