第22話 パトリシアと門番達

 お兄様と別れて、私はお兄様と話した正門に行くと門番が私に挨拶をします。

 そして、門番に隠れて壁に結界石を嵌め込みます。しかも左右の壁に埋め込みます。


 そして、作業?が終わると門番達の目を盗んで壁の上にある、見晴らし台に登り外の景色をぼんやりと眺める。


「以外にここって、高いわね?でも……良い眺めだわ。回りには何にもないけれど………でも、高い建物が無い分見晴らしは良いわね?ええっと空き地は………あ!あそこ広いわね?あれなら、何とかなるかな?お父様に相談よね」


 独り言を、呟やいてるとルクスとルトが私に抱きついてきます。


《主………ここ危ないよ?》

《ご主人?どうしたの?》

(何でもないわ………。そうね、ルトの言う通り危ないわね?)


 そう言って、見張り台を下りる。


 さて、ちょっと聞きたいことがあったのよね。門番さん達に聞こうかしら?


 早速リサーチしないと!


「あの?門番さん達?」

「え!あ!はいお嬢様?何でございますか?」

「大した事ではないのだけれど……この城の何処に部屋を貰ったの?」

「へ、部屋ですか?」

「部屋はあの左側!の端の2階から3階迄が使用人の部屋ですが………」

「そうなのね?部屋数は足りてますか?」

「ええっと…………」


 一人の門番は言い淀む。

 あら?随分言い憎そうにしてるわね?

 あ!そうですわ!言える訳がないわよねと思っていると、もう一人の門番がハキハキと話をしだす。


「ええっと、お嬢様。我々は大丈夫です!十分足りてますよ?それに、王都にいた頃や本邸の使用人の寮に、比べたら………住みやすいですよ?我々の事に迄お気遣い頂き、ありがとうございます。ただ、人が多く成ると部屋が足りないかも知れません。あ!これは失礼を!」

「そ、そうなのね?分かったわ!お父様にご相談してみるわね?じゃお仕事頑張って!」ニコリと笑ってその場を去る。




◇◆◇◆◇◆◇



~余談~



 その場に残された、門番の二人は………パトリシアのかわいさに、うっとり見とれてボンヤリとしてしまった。

 だが、数秒で戻ってまた仕事を再開したが………。


「おい!」

「な、何だよ?」

「お嬢様、かわいかったなぁ~!」

「俺達の事まで気に掛けてくれてな?」

「俺!この領地に初めて来たけど、……ラッキーだった………」

「あ!そうか……、お前王都の人間だったか?」

「そう!もう、王都には戻らない覚悟でここに来たからな!」

「ふぅ~ん?ま、頑張れ!」

「なんだよ!他人事だなおい!」

「ハハハ。他人事だ!」


 そう門番達が笑いあっていた。

 この後、チョッとした面白現象が何回かあり門番達は戸惑うことに成る。


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