第23話 パトリシアが婚約……?
庭のテラスで、クレマンド殿下とお茶をして話ながら、ルクスとルトが庭で遊ぶのを二人でゆっくり眺める。
「パトリシア?」
「なんですの?殿下?」
「そろそろ、私に良い返事をしてくれないかい?」
「良い?返事………ですの?」
「ええ、そろそろね?」
「そろそろ、ですか………」
こ、困りました………それは殿下は好い人なのでしょうが………何故今このタイミングなのでしょうか?訳がわかりません。
私が城を作り、その周辺の空いた土地を騎士達の訓練所と兵舎を作り。
更には騎士希望者と、使用人希望者をお父様達と人選したりしている最中に、この間約3ヶ月ですが……。
その間にクレマンド殿下達は、一旦自国にと戻りトンボ返りをしてきたのです。
なんと、アレクお兄様の馬車をレンタルしたそうです。凄い………豪胆だこと。
なぜ、また領地に帰って来たのか?それはレンタルした馬車を返しにと、お父様に私との婚約を申し込むのが目的だったと言う事です。
なんだか、ついで感が拭えませんが………これにはビックリです。
その話が、アレクお兄様の耳に入った途端お兄様の機嫌が頗る悪い事と悪いこと!
暫くお話してくれません………今もです。
厄介ですよ?私は悪く無いのに無視されてます。
あ、話が逸れましたわね?
殿下とですか…………?
私が…………??
ですが、まだまだやることが一杯ありますのよ?
先ずは、お父様達と領地の周辺の領主の方達との話し合いが、先日行われたばかりでまだ話が纏まっておりませんし、この先の事がまだ定まっておりません。
それに、先日初めて叔父様とそのご家族にもお会いして。
今後の、あのお爺さん達の対応も問題に。
これは、面倒なので私は関わりたくは無いので知りませんが………。
叔父様達もこの新しく出来た土地に居を構えたいとの事でしたので、先日お屋敷を作ってお礼を言われたばかりです。
その問題が一杯ある中で私の婚約ですの?
それは………まだ無理がありませんか?
のんびり気儘な、お嬢様はまだ出来ませんし……アレクお兄様のご機嫌は悪くなる一方ですし……。
殿下と私の話は、暫く持ち越ししたいです。
だって、殿下とまだちゃんとお話ししたことが無いのよ?いきなり婚約って私的には無理があります。
「パトリシア、どうした?黙っていてはわからないよ?」
「ええっと、殿下?」
「なんだい?」
「婚約のお話しですが………」
待ってくださいと、言おうとしたら止められました。
「ま、待ってくれ!断りは受け入れられない!私は君と結婚したいのだよ。その為に、国を捨てる覚悟でこのベルガモットの領地に、戻って来たのだから」
え?えぇぇぇぇ~?マジですかぁ?
「…………………本気ですの?殿下?」
「ああ、君のその優しさに魅かれてしまった。それにその破天荒さもね。ハハハ」
は、破天荒…………。
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