第5話 領地に帰る前の準備 5

「フフフ、お兄様それは楽しそうですわ。それでしたらアレクお兄様と、三人で狩りを致しませんか?」

「そうか?なら早速用意をし……狩りに?三人?」

「シア、おはよう。兄上と何を話してるんだ?アイザック俺にもお茶………で?」


 いつの間にかアレク兄様が、サロンに入って来てヴァンス兄様の、言葉を遮り会話を続ける。


「何だか、楽しそうな話をしていなかったかい?」

 シア?と聞いてくるけれど………。

「ええ………アレクお兄様。ヴァンス兄様が、私に遠乗を誘って下さったのですが。それでしたら三人で狩りをと、話してましたのよ」

「遠乗り?狩り?」


 アレクは、ヴァンスを見てジロリと睨む。


「………ヴァンス兄上?(なに、抜け駆けしてるですかね?この人は!)」


「何だ?アレク。私は、これからパトリシアと狩りに出掛けるんだ!お前も同行しろ(こいつを連れていかないと、後が面倒臭い!)」

「はぁ……まぁ昨日の今日で、国王陛下から伝達もないか?まぁ……気晴らしに成るなら行こうかシア?」

「ありがとう、御座います。アレクお兄様、ヴァンスお兄様。私!早速支度して参りますわ。待ち合わせは、エントランスで宜しいかしら?」

「ハハハ、ではエントランスで待っているからな!急がなくても良いぞパトリシア」

「はい、では後程。お兄様達お待ち下さいね」ニコリ。


 サロンをパタパタと小走りで出て行く。


 そうと決まればお着替えですよ。

 初めての狩りです、腕が鳴りますよこの際何でも来いや!!魔獣ども!!


「パトリシア様、如何されましたか?お急ぎですか?」


 小走りに走るパトリシアの、後ろを同じく小走りで着いて行くエルサが、パトリシアに確認をする。


「エルサ、お着替えですよ!お兄様達と狩りです」ルン。

「な、なにやら楽しそうにして、居りますが・・・まさかパトリシア様?」

「ほ、ほら、早くお部屋に戻って着替えるわよ!グレンにも言っておいてね?」


ウフフ!楽しみですわ!



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