第18話 領地に帰る前の準備 18

「お兄様達?何をこそこそ、してるのかしら?治療が終わりましたわ。後は王都に運んで、教会に預けないと!」

「そ、そうだな。もう直ぐ、迎えに行かせた護衛が、こちらに戻って来ると思うが……パトリシアサーチで分からないか?」

「そうですわね、その方が早く分かって良いですわね?少しお待ち下さいませ」

「サーチ………」


 ん?あぁ、ソロソロこちらに着くわね?


 何人で来たのかしら、随分多いけれど……?

 人数が多い方が良いけれど……私は目立ちたくないなぁ~。


「お兄様!もう直ぐ、ここに人がいらっしゃる様ですわ。ですが……私は目立ちたくありませんので、このまま魔法で隠れて良いかしら?」


「そうだな、その方が良いだろう。騎士達が来たらアレクの後か、あそこの木陰で休んでいるかい?」

「それでしたら……お兄様。私あちらの木陰で、休んでいますわね?」


 トコトコと木陰に行くと、土魔法で簡単な椅子を出した。


 椅子に座ると喉が乾いたので、ついでに簡単なテーブルも出してみた(笑)アイテムボックスからティーポットと、グラスを出して紅茶をグラスに注ぐと、中に氷魔法で氷を入れて喉を潤した。


 何やら……目線が痛いので、兄達に目を向けると全員が私の方を見て固まっていた。


「パ、パトリシア!また、お前は……」

「ん?お兄様達も飲みますか?お飲みになるなら出しますわよ?」


 絶対断るわなぁ……?一応聞いてみるけど……。


「「い、頂こう」」

「(いるんかい!小声)……お、お飲みになりますか?では、ご用意しますのでお待ちになって?」


 慌ててテーブルを広げて椅子も出す。

 そしてお兄様達にも、アイステイーを出した。


「お兄様達どうぞ、護衛のお二人もどうぞ?」


 人数分のアイスティーを出した。


「お、お嬢、俺たちは……えっと……」


 そんなにキョドらなくても……。


「まぁ良いぞ!父上の前では無いしな、それにお前達も疲れただろう?せっかくパトリシアが用意したのだ、飲んでもいいぞ!」


 ヴァンス兄が護衛に、許可を出したので二人にグラスを渡す。


「はい、どうぞ」ニコリ。


「「……ありがとう、ございます。お嬢」様」

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