第17話 領地に帰る前の準備 17

 パトリシアが、金色に光る聖魔法を発動させている光景を見ながら、二人の兄が唖然とするがアレクが、兄ヴァンスに小声で声をかける。


(ヴァンス兄上?)

(何だ?)

(私は夢を見てますかね?)

(偶然だなアレク、私もそう思ってる所だよ何だ・・・・あれは?)

(私達の妹は、聖女かもしれませんね?)


「な、なに!」


(しっ!声が大きいですよ!)


 口元に、人差し指を立てて黙る様に伝える。


(す、すまんだが・・・・聖女か?)

(あの……聖魔法を見たら、疑いたくもなりますよ?)

(聖魔法か……この世界に使える者は、聖女しかいないと言われているしな。今は教会に一人居たはずだが、余り噂を聞かないがなぜだ?)

(確か、ご高齢だと聞きましたよ?他に後継者がいないとか何とか?)


 甘い汁を啜っている教会等に、パトリシアは渡さないがな。


(どちらにしても……マクゥエル家には、関係が無い事だな。アレクこの事は内密にな?)

(当たり前ですよ!誰かに知られでもしたら私達のかわいい妹が、教会に取られてしまう。それだけは避けないと。やっと!王家から解放されたのですから)

((護衛にもきつく、箝口令を敷かないとな!))


 二人がこそこそと、話をしているとパトリシアから声が掛かる。


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