第31話 覚悟の確認 1

 クレマンド殿下に話しがあると言われて素直に話しを聞くことにする。


「そう………ですの?それでは此方へどうぞ?エルサ?お茶を用意して、私のお部屋の隣の部屋に持ってきてくれないかしら?」

「……畏まりました」

「グレンは私と来てちょうだい?」

「畏まりました」


 殿下達を連れて私の部屋の隣の空き部屋に招く。


「さあ、殿下どうぞ……何もない部屋ですが?」

「失礼するよ?」

「どうぞ?そちらに、お座りになって?」


 対面に座るように進めて早速殿下の話を聞くことにする。

 疲れてるから早々に終わらせたい。

 因みにルト達は勝手に影に入って行った……お利口だこと。でも、ありがとうね?


「それで?なんですのお話しって?」

「あぁ、それなのだがね?マルセルと側近達と話したのだがね?この城の北側の森で狩りをしたいと思ってね?」


 はぁ?私には、関係ないわよね?


「ええ、それで?何故、私にお話しをされるのかしら?私に話すよりお父様にお話しをされては?」

「失礼ながら。殿下は貴女と、狩りを楽しみたいのですよ?」


 分かりませんかね?と私を馬鹿にするように笑う。

 なんだろうか……この不快な言い方は?

 人の領地に、勝手に入り込んで来たくせに偉そうなのは?


「失礼?マルセル殿。お嬢様に対して、失礼な物言いは控えて頂きたい!」

「おやおや?何と躾の悪い犬ですねお嬢様?ですが…犬の躾は失敗されたのでは?」


 ん?何故そこで、グレンを馬鹿にするのかしら?

 ぶちギレそうなのは……なぜかな?


「えっと……マルチさんでしたか?貴方」

「し、失礼な!私はマルセル・ビッツァーですが?」


 知ってるわよ!わざとだからよ!


「ええッとその?ビッツァー様が何故?私の父が所有する領地の、この城の中でそんなに大きな口を聞くのかしら?貴方になにか、支援でもしてもらってるのかしら?それなら頭を下げますけれど…、その態度は殿下のお教えですの?人を馬鹿にするのは。殿下はそれをお許しで?」

「ぐっ!な、失礼な!私は殿下の執事ですよ?たかが公爵家の娘が………」

「やめろ!マルセル!パトリシア嬢に失礼だぞ!パトリシア嬢の言うことは正論だろ?私達は、間借りしてるだけで何も支払ってないだろ?」

「で、ですが。殿下!この様に馬鹿にされれば」

「はぁ~。馬鹿にした態度を最初にしたのは、お前だろ?マルセル何度も言うが、私達はこのベルガモット家に、世話に成ってるのを忘れたのか?昨日その話をしたから、今ここにいるのでは?」

「で、ですが!」

「あの?お話しが無いなら失礼しても?狩りの件なら父に御相談してください。私はこれで、あとクレマンド殿下?人選は慎重になさった方が良いのでは?先の方もでしたけど?」


 全く連れてる連中に問題があるのは、そもそもあんたがまともな人選が出来てないからだよ!  

 おっとお口が悪く成ってましたね?ごめんあそばせ?オホホホ。


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