第3話 国王VSベルガモット家 Ⅲ

 この場が、冷気で寒くなる。アレクお兄様とお母様の冷気ですわ。(笑)


「たかだかと今、仰りましたか?陛下?私の娘に!これだけの無体をして、たかだかですって!パトリシア、先程の気功術を陛下ご夫妻にも、体験して頂きましょう。あれなら2~3日食事も取れないわ、痛い思いもして貰い。心の底から悪かったと、言って貰いませんと」


 腹の虫が納まらない!!!


「「ひぃ!」」


 国王陛下、お妃様のひぃ頂きました。(笑)

お母様がお怒りで、暴走気味ですどうしましょうか?(笑)


「は……母上押さえて、落ち着いて下さい」


 ナイス、ヴァンス兄!

 先程まで傍観していた兄が止めてくれた。

 これは長いなあ~。

 チビッ子達が、お腹を空かせる時間だぞ!

 屋敷でちゃんと、食べてるかしら?


「そうですよ、母上。ここは穏便に事を進めないと、笑われて仕舞いますよ?」


(ほらパトリシアが呆然としてますよ?)


 え?わたしなの?


「お母様、落ち着いて。あの技けっこう、魔力居るんですよなので今は……無理ですよぉ~」


 王家の方々をチラリと観る。

 あ、全員が顔を背けたねぇ~?あら?だけど一人勇者が居るけど……指先で弾いてポイッね(笑)


「婚約破棄をされた者は、これから先!傷物扱いされるのに。たかだかですか?成らばどうやって、詫びるおつもりなのか、お聞かせ願いたい。まさか詫びて終わりなんて、虫の良い事をお考えか?」


 父が国王の考えを、問いただす。


「………」


「それも無言ですか?ならば。ご納得して頂きありがとうございます。この書類にサインを。国王のお名前を頂きたく存じます」


 パトリシアは、この国には絶対に存在しない上質な紙を二枚出し、そしてボールペンを出した。


「さあ、この書類に!このペンで署名を!」


 書類の、内容は………。

 ざっくりいうと。

・領地はベルガモット家に譲渡し独立を認める。

・今後一切ベルガモット家には関わらない。

・公国を立ち上げる際に邪魔をしない。

・国に干渉をしない。

・お互いに一切国交はしない。

・パトリシアに対して謝罪と慰謝料白金貨300枚を、一月の内に支払う事とする。


 で、ある。

 因みにどれか一つでも約束事を、違える事があれば交戦も辞さない構えである。

 と記入されている。強気ですよぉ!


「こ、こんな事が……通る訳も無かろう?こんなデタラメな」


 すると、我先にとヴァンス兄様が国王を叱咤する。


「デタラメですか?私達親子からすれば、貴殿方がデタラメだ!5才になったばかりの私の妹に、一切の自由を奪って置いて、何がデタラメだ!」


 続いて父がトドメを刺す。


「民の税金で贅沢をし、息子に白金貨2枚もの金を使わせて置いて、何が事後報告、仕事でだ!私と居ても殆ど仕事もせずに、面倒ばかり押し付けて何が忙しいだ!」


「しかし、私一人では……」


「一人?おかしいですね?ここには王妃様、次期国王様、次期宰相様がいらっしゃるでは、有りませんか?何が一人なのですか?」


 家族で話せよ!とアレクが言う。


「一人だったのは、パトリシアですわよ。貴女方のその輪に入れても頂けずに、今まで居たのですもの。そうですわよね?王妃様?先程から一言もなにも、お声が聞けませんが……?」

「…………」


 そう言えば妃オーラ発して無いぞ?

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