第2話 国王VSベルガモット家 Ⅱ

 そしてパトリシア始め、家族の温度が一度下がる。


「………そうですか。では、後一つお伺いしても?」

「あ!え、あぁ、良い。申してみよ?」

「では、お言葉に甘えまして、ルーベルト殿下の城下町での、お遊びはご存じだったのでしょうか?長年学園を抜け出し、随分とお遊びをしていたようですが?」

「そ、それも把握していた」

「何故、お止めにならなかったのでしょうか?お伺いしても?」

「い、いや、公務で忙しくてな!全て事後報告だったのだよ………」


 温度がまた、2度下がった。


「そうでしたか………。私は13年もこんな馬鹿達に、縛られて居たのですねぇ。王族の方々が避暑地で、お遊びになさっていても。一言もお誘いが掛からずに、放っておかれ。家族で息抜きに旅行に出たいから、お休みをと願っても。王子妃に成る者が遊びなどと、叱咤されて。何処にも行かずに頑張ったのに、遊ぶ方々を横目に観ていた私に、誰一人王家の方は声を掛けてはくれなかったのに?」


ふう~と、一息いれてまた………話し出す。


「挙げ句に浮気されて、お前のせいだ。お前が悪いんだと言われ最後の、トドメの言葉が玩具ですよ?悔しくて堪らないですわ!それで水に流せと仰るのですか?私に?」


 パトリシア……可愛そうに。


 誰?私は可愛そうじゃないわ!


「お父様とお母様、お兄様達が。この国に随分と貢献をしましたのに、この仕打ちですか?国王陛下?人を何だとお思いか?教えてくださらないでしょうか?」


「「………」」


 そうですか……残念ですねぇ……。


「分かり……」


 先を言おうとしたらお父様とお母様に止めれる。

 はい、黙ります。


「貴女方のお考えは、良く分かりました。国王陛下、妃殿下。パトリシアは、所詮どうでも良い存在だった様ですね?私達が逆らえないのを盾に、随分と無体をして頂き、ありがとう存じます。そしてパトリシアに対する詫びが、先程の水に流せでしたか?でしたら私共は、国王陛下の財産である。私共の領地を頂き、さらに白金貨300枚を慰謝として、請求致します。それでパトリシアには、水に流して貰いましょう」


「そ、そんな馬鹿な!たかだか、婚約破棄をしたぐらいで………」


 あ!言っちゃった………。

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