第27話 ルクスとルトの遊び場 1

「え?」


 ルクスの答えで固まる。


「パトリシア、どうしたんだい?ルクスは何を言ってるのだい?どうやら咥えて来たのは猫の様だね?」

「え?猫………」


 良く見ると子猫ですわね………。

 てか、妹って………なに?


「で殿下すみません、話の途中ですが少しルクスの方を……」

「あぁ。構わないよ?それにしても猫なんて、何処から見つけて来たのやら?この城って外に出れたのかい?」


 確か、裏口から兵舎や訓練所には…………行けるわね?


(ルクス、ルトは?)

《ん?ルトならあっちで、リスくんと遊んでるよ?》

(え!遊んでる?え?というか、この子達は何処で見つけて来たのかな?)

《あそこから外に出てね?あっちの広い場所で見つけたよ?》

(わ、分かったわ。ルクス?ルトのいる場所まで案内出来るかな?)

《うん!できるよ?主人いくの?》

「ええ、連れて行って?」

《じゃあ、こっちだよ!》


 咥えた猫を、一旦降ろして子猫を咥え直して走り出す。


「ま、待って!ルクス」

《ええ!なに?》

「ちょっとまってね?君の早さに追いつけないと困るから……」


 アイテムボックスから、以前作ったキックボードを出す


「これなら、見失うことはないかな?」


 ボードに乗って、ルクスとルトのいる場所に向かおうとしたら殿下が止める。


「パトリシア、待った!」

「はい?どうかしましたか?」

「私も行くぞ?」

「は?」

「だからそれ、貸してくれ?」


 なに、ニヤニヤして嬉しそうに言うのかしら?

 しかも、これに(ボード)乗りたいって………良いのかしら?貸して良いのか悩んでると以前約束したと言ってくる。

 約束した……………わ………ね?でも惚ける。


「前に約束したろう?忘れたかい?」

「約束………ですか?」

「ほらあの、大きな川の前で……の約束だよ」


 ニコリと微笑む。


 ああ、思い出したわよ!て言うか、覚えてるわよ!そんなに綺麗な顔して笑顔を向けないで!この人絶対自国でモテてたわよね?

 観念して、そそくさとアイテムボックスからキックボードを出して殿下に手渡して言う。


「わ、分かりましたわ。約束でしたわね?どうぞお使いに成って下さいませ。使い方と乗り方は、分かりますか?」

「説明して……欲しいかな?何分、不思議な乗り物だしね?」

「………でしたらこの魔石に、一度魔力を流して下さい。そしてこのハンドルを手でもって、片足をボードに掛けて、もう片方で地面を軽くキックすると浮き上がって前に進みます」


 と、言いながら、殿下の目の前で自分のキックボードに乗りデモンストレーションして見せる。


「わ、分かった!こ、こうか?」


 すると、殿下は軽く簡単に乗りこなす。


「で、ですわ!それなら行きますか?」

「あぁ!」


 嬉しそうですわね?殿下………。

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