第28話 ルクスとルトの遊び場 2

ルクスを見ると、暇だったのか子猫と一緒に丸くなって寝てたわ………ごめんねルクス。


「ルクスお待たせ?起きて?」

《ん?終わったの?》

「ええ、待っててくれてありがとう。さぁ、案内してくれる?」

《分かった!こっちだよ~》


 そう言って、ルクスが走って行く。

 その後ろを、殿下と一緒にボードで追いかける。

 そして、ルクスの後を付いていくと………。

 裏門を抜けて、騎士達が訓練する訓練所の壁づたいに走り抜けると兵舎が見えた。

 そして兵舎の側の壁が………あ、穴が……?空いて?る?のは 何故かしら?

 ルクスは構わずその穴を通って外に出て行った。


(ルクス、ちょっと戻ってきて頂戴!ルクス!)


《もう~なに?主人、先に行っちゃうよ?》


 止められたのが、不満だったのか……穴から顔だけ出して何かと聞いてくる。


「ちょっと待ってね?ルクス、この穴はいつから有るの?それに、私達はここは通れないわ」


《?そうなの………この穴は少し前に開けたの!》

「え?開けたの?」

「パトリシア?取り敢えずここは、壁を乗り越えないと?」

「え?あぁ、そうですわね?なら、このまま上に上がって、向こうへ行きましょう?」

「上がる?」

「えっと………キックボード、渡して下さい」


 手を出すと、殿下がボードを渡してくれるので一度回収をしてアイテムボックスに仕舞う。

 そして………。


「殿下、手を貸してください?」

「手?」

「はい!て!」


 と言って、無理やり手を引っ張り握って「フライ」で空に上がって、壁を越えて反対側に降りるとまたキックボードを出して殿下に渡す。


「はい!」

「え?あ、はい?」

「さて、ルクスお待たせ?これからどこに行くのかな?」

《もうすぐだよ?あの辺!》


 と、言ってまた走り出す。


《主人ここだよ!》


 ここと言って、やって来たのはちょっとした森です。こんな所に猫とリス?なにそれ?

 ここは……領地の外れになるのかしら……。

 さて!ルトは何処にいるのかしら?


(ルト!どこにいるのかな?おいでぇ~)


 すると、側の木の枝からスルスルと降りて来て私の肩に乗ってくる。


《主、なに?呼んだ……あれ?何でここに来たの?》


 何だか、色々突っ込み処がありすぎて………考えが纏まらないわよ!

 まったく殿下を引っ張り回して仕舞ったわ!


「ルト、ルクス。もうここに来ちゃ駄目よ?危ないから!」

《《ええ!なんで?》なんで?》

「だってここは、お家から離れてるでしょう?それに、ここの生き物は連れてきても飼えないわよ?」

《《ええ!》なんでえ?》

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