第67話 領地へ ネーミングセンス……
何にしょうかと、考え込む料理長です。どうやらノープランのようですね?
「でしたら今日は、パンとシチューにしませんか?それとサラダと後は……」
「それなら肉は?」
「肉ですか?それなら、ミノタウロスがありますよ!」
あれって……確か牛っぽかったわよね?
ならローストビーフでも作ろうかしら。
「料理長、それなら肉出してくれないかしら。塊で料理しましょうよ?」
「なにをするんですかい?」
「それなら、見ててね。ふふふ」
まずは、大きめの竈門を足元に作る。
「お、お嬢様。またこれは大きな竈門ですね?」
「でしょ~」
それじゃ、火を起こしてか竈門の上にフライパンと水を張った寸胴鍋を用意する。
先に寸胴に水を少量入れてお湯を沸かす。
次にフライパン出塩コショウした肉を焼く塊を4~5個にしっかり焼き目をつけてからの鍋に入れて水を入れた鍋に10分~15程度入れて鍋ごと蒸す感じにする。鍋は薄い方が良いかしら?
ビニールがないので、この調理法を試して見る。上手く出来てると良いな~。熱が伝わらないかな?と色々考える間に時間が経っていた様ですわね?
鍋の蓋を取り、中に入っている肉の塊を出して包丁で薄切りにすると、良い感じのローストビーフが出来上がっていた。ナイス!後はこの肉汁でソースを作りますかね?
肉の汁の中に赤ワインを入れて醤油と砂糖少々入れて煮立てる。
ワインのアルコールが飛んだら味見する。
「……まぁこんな物かしら?」
後は仕上げにバルサミコ酢が……ないわね?レモン汁で酸味を付けて、大根をすりおろして混ぜますかね?
皿に野菜を乗せてから肉の薄切りを乗せて出来上がったソースを掛けて出来上がり。
「料理長?どうかしら?食べてみて?」
出来たばかりの料理を差し出す。
「これはまた、旨そうですね?」
そう言って味見する料理長……。
どうかしらと、料理長をじっと見つめる。
「う!旨い!これは旨い。作り方が簡単だから一度に多く出来る。それに、このソースも旨いですね?さっぱり食べれます」
すると、隣に居たアレクお兄様がローストビーフもどきを夢中になって食べていた。(笑)
「お兄様?美味しいのですか?」
口の中に肉を頬張っているので、声が出せないのだろう。首だけ上下させてウンウンと頷く。
「お兄様……食べ過ぎでは?」
「ムグムグ……な、なにを言うんだ?シアが作ってるんだ!残すのは勿体ないだろ。それにしても旨いな!何て言う料理だ?」
「ローストビーフ?ミノタウロスの肉ですからビーフではないですね?なんと付けましょうか……?」
ロースト……ウロスは……そのままね?
「では、ローストタロス何てどうだ?」
笑ってはいけない……ネーミングですわ!
「……そ、そうですね?他に名前も思い付かないのでそれで行きましょうか?アレク坊っちゃん!」
料理長それで良いの?まぁ私も思い付かないし似たような名前付けそうになったし。
もう面倒なのでそれにしましょう!採用!ですわオホホホ。
「なら、料理長、今晩はシチューとパンとローストタロスで?」
「ええ、決まりです。早速仕込みを始めますよ?坊っちゃん、お嬢様。ありがとうございます」
「いや、私は見ていただけだしな?シアが案をだしただけだ」
「ウフフ、お兄様。お兄様もちゃんと名前を付けてくださいましたから、何もしてなくはないですわよ。ね?料理長」
「ええ、ありがとうございます」
「で、では、後を宜しくな?シア行くぞ!」
どうやら兄が照れたようね?
「フフフ。はい!お兄様。また後でね料理長」
二人でお父様たちが座るテーブルに戻る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます