第66話 領地へ 不機嫌からの

 アレクお兄様に呼ばれて、クレマンド殿から離れ兄の元へ行くと、殿下と何をしていたのかと聞かれ、不用意に一人になるなと怒られた。何故?


「シア!お前あそこで何をしていた?」


 自棄にご機嫌斜めですね……何故かしら?


「え、あぁ。草原に薬草が有ったので、ルトとルクスに、取ってきて貰ってましたわよ?」

「……薬草ね、殿下と何を話してた?」


 少しだけ睨まれてるわね……睨まれる事はしていませんわよ?


「え、殿下とですの。普通にお話はしてましたが……。殿下はまだルト達を魔獣だと言って、勘違いをしていらっしゃるご様子でしたので、誤解を解いていたのですが。中々ご理解して頂けなくて、困ってましたのよ。お兄様呼んで貰って助かりましたわ」


 ありがとうございます。とお礼を言うと、機嫌が悪かったアレクお兄様が、ニッコリと笑って。ご機嫌になったわ、なんて単純な兄だろうか?


(そ、そうだったか?ならいい!うん大丈夫だな!)


 ブツブツと小声で何かを言ってるけれど……何ですのもう!聞こえませんわ!


「で?お兄様。何をお手伝いしますの」

「え!あぁ……(実は何も考え居なかった)えっと……あぁ、今夜の食事は何にするのだ?」

「私はなにも知りませんわよ、毎回私が決める訳では無いですもの」

「そ、そうだな。それなら一緒に料理長の元に行くか?」

「え、まぁ良いですが……なににするのです?」

「それを、決めるのだろ」

「はぁ~。分かりましたわ、お兄様」


 アレクお兄様と一緒に、料理長の元へ歩いて向かい料理長を見つける。


「料理長~」

「はい、あ、アレク坊っちゃんにお嬢様。何かご用ですか?」

「そうなのよ、今夜の御食事のメニューは?決まってますの」

「え、あぁ今夜は。そうですね……」



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