第7話 伯父様……煩いですわ!

 サロンで高笑いをするアルバン陛下。

 話しの内容は……ちょっぴりハードかしら?


 王位継承権を捨てて私達の領地に移住ですか……。

 それを良くお許しに為りましたわね?

 それ程王子は、自分のお国には居られないって事なのかしら?


「……それにしても。パトリシア君は、殿下との事をちゃんと受け入れたのか?パトリシアからの話しを、ちゃんと聞きたいのだが?未だお前は曖昧な態度だろ?」

「ええっと……それは。伯父様………」


 煩いです!貴方は黙ってて下さいな!

 今はそれを口に出さないで下さいな。


「………貴方は、確かそう!ルベルス殿でしたか?」

「ええ、そうです。お会いするのは二度目ですね殿下」


 伯父様……何でそんなに偉そうですの?相手は他国の王子ですよ!弁えて下さい。


「私はパトリシア嬢から、前向きにという考えてと言う返事を頂いてますよ?それが何か問題ですか?」

「前向きに!ですか……それはなんとも。パトリシア、お前はちゃんと答えを出せるのか?」

「出せますわよ?伯父様……」


 私がその答えをどれだけ苦労して、……言葉を口にしたのか知らないくせに。呑気なものよね?

 ま、所詮他人ですから!私の力の事は絶対教えないけど。不法入国してきて何か画策してるくせに。

 心のなかでぶつふと文句を言う、これは…憂さ晴らしを何処かでしないと晴れないわ!フン。


 すると、グレンとメイドの数人がサロンに戻ってきた。


「お待たせ致しました。お飲み物と軽食を御持ち致しました。パトリシアお嬢様から謂い使って、お出ししますが。此方で宜しいですか?」


 な、ナイスですよグレン。でも、入るタイミングを読んでたのかしら?

 それに……その言い方は問題があるわよ!


「シア流石!酒はウイスキーか?なら私はロックを頼むよグレン」


 お兄様ナイス!


「悪いなパトリシア。グレン私には水割りを。それにこの摘まみは?」


 ヴァンスお兄様もgoodです。


「カナッペと言うそうですよ?そちらもパトリシア様からの、リクエストでございます。ヴァンス様は水割りを、アレク様はロックですね?少々お待ち下さいませ。お客様のお飲み物は、メイドが配膳をさせて頂きます」


 良かったわ陛下や殿下には、メイド達がちゃんと水割りをお出ししてるみたいね。


「グレン悪いね、私にはワインを頼むよ。ハンスお前は?」

「ん~私は……ブランデーを頼むよ」

「畏まりました……お待ちくださいませ」


 もうお父様達は自分の執事に頼んで下さいませ!

 でも仕方ないわ…、グレンがお父様達の飲み飲み物を出すのを待ってから、グレンに話し掛ける。


「……グレン私たちのは?」

「お嬢様とマリーン様にグレース様プリメラ婦人は、此方でございます」

「あら、エルサありがとう」

「まぁ、可愛いわねこれ?シアちゃんこれはなに?」

「桃のケーキに、桃のジャムが入ったお茶ですわ。伯母様どうぞ召し上がって下さいませ」

「まぁ、言い匂いのお茶に、ケーキ。なんて、贅沢なのでしょう。私はこの領地に来れて良かったわ!ねえ貴方、貴方もそう思わない?」

「あ、あぁ。まあ、そうだな。ここに来てからは驚きの連続だ、建物に食べ物どれも素晴らしい。子供達も最初は嫌悪感が拭えなくてな、パトリシアには辛く当たった様だが。……あの子達も今は、落ち着いて居る。パトリシアきつい言い方をしたなすまん」


 伯母様の一言で、ご自分が私に失礼な事を言ったのを、理解したのかしら?今更あの子供達の愚行を謝られても困りますが……。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る