第8話 伯父の謝罪と、国王の帰還と、待ち合わせ。。

 すまん……ねぇ?なにが『すまん』なのか、だったら子供達を連れ出来て、一家で私に頭を下げて謝って欲しいのですが…。

 でも伯父に謝られてしまっては、否とはここでは言えないから……ここは折れるしかないのかしら?

 ……理不尽です事、それでも笑みを顔に張り付けて返事をしないと為らないわ。


「いえ……別に気にしてませんわ。先程の様に、突っ掛かって来ないで頂ければ。なお嬉しいですわね」

「ぐっ!そ、それは、すまなかった」


 伯母様の一言で少しは素直になられてるのかしら……?

 謝ってるわ!これは面白い。


「あら、貴方やっとシアちゃんに謝ったわね?本当に貴方は意地っ張りよね?フフフ」

「そ、それを言ってくれるな!プリメラ」

「伯母様、その話はまた後日にお願いします。今はお客様の前なので。それに、お酒も出ている席ですので今は気楽にして下さい」

「あ、あら、私ったら。ご免なさいね?国王様?」

「いえ、お気にならさらずに?それにしても美味しい酒だな。ここは……料理に酒にと、驚く事が多いな。ワハハハ」

「陛下そのお酒は、ウイスキーと言いますのよ。ドワーフ達の力作ですわ?どうぞお帰りの際には、お土産として御持ち下さいませ?」

「それは、良いなぁ~ありがとう。パトリシア嬢それなら我が国からは、飛竜の子を差し上げよう。飛竜を育てる場所を、設けて貰わないとならんが。専門の世話番も、ジークの使用人達と一緒に寄越そう」


 ………あの竜の子供をですの?

 竜が来れば、移動は楽だけれど……その飛竜に乗って何処に行くのかしら?


「そ、それはまた……突然ですね?ですが先に私が陛下に、御相談したかったことを言われてしまいましたね。私が、陛下にお願いしたかったのですが……」


 友好の明かしに飛竜ですか?では、ベルガモット家からは何を渡すのかしら?

 無難に考えれば…綿や麦等かしら?


「ワハハハ!なんだ、そんなことだったのか?」

「いえ、そんなことでは無いのですが。陛下からのお申し出はありがたいですな」

「ハハハ!そうか?それは良かったよ」

「それでは、また後程その話をさせて貰いたいですなぁ。ハハハ」

「わかったぞ!では、今宵はこのウイスキーとやらを、楽しませて貰うとするよ」

「そうですね?父上。この旨い酒と摘まみで今宵は楽しみますか?」

 

 はぁ………今夜は長くなりそうですわね?


 それから二日の間、国王陛下の対応でバタバタとしましたが……とりあえずなんとかなり。

 今朝方、隣国の国王陛下が帰国されて行きました。

 ふぅ………この三日間は大変でした。


 そして私は……ただいま自室でのんびりしてます。

 勿論……城の自室でです。


 理由は、この後殿下と私の従魔達とちゃんと挨拶をしたいからだそうです。


 ルクス達と殿下が挨拶もとい…遊び?たいとの事ですが……子供ですか?


「お嬢様……。従魔の達との殿下の顔合わせ?なんてしなくても良いのでは?それに前に有ってるでしょうに」

「まぁ 、そうなのでしょうが?本人からの申し出よ?断れないじゃない」


 そんなことは分かっていますわ!グレン、私にそれを言わないで頂戴。


「………全く、子供の様な方ですね?」

「フフフ、そうね?私、あんな方を旦那様にはしなくないわね?グレン」

「………そうですね、全くそう……同感です!」

「でしょ?フフフ」


 本当に厄介な王子です事。

 もう、サクサクと色々断ってお帰り頂きましょうかしら?


「ええ、フフフ」


 私とグレンが、なにやらお互い思うことが一緒だったのかしら?笑ってしまったわ。


「フフフ、本当に。ですが、笑っていてもお支度は進みませんね?そろそろ、殿下とお会いする時間ですよ?」

「あら、もうそんな時間なの?それなら支度をするわね?少し待っていて頂戴」


「ええ、そうして下さいませ。此方でお待ちしておりますので」

「グレン、了解したわ」


 それからパタパタと身支度を終わらせて、グレンと二人殿下と待ち合わせをしたサロンに向かうのだった。

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