第4章

第1話 ~ 静観するパトリシア 1~

 さて今日は、城に登城する日です。

 この5日の内に、ヴァンスお兄様の魅了が発覚しその事でバタバタしたが………。


 ヴァンスお兄様の件で、問題の相手クレマント伯爵家には、抗議の文を出しましたわ。

 ですが、先ずは私の後片付けをしてからと父が話す。

 その他に、もまだまだやることはありますが………取り敢えずは城に向かいます。

 因みに、ルクスとルトはお留守番です。


 そして、今居る場所は王宮の貴賓室です。


「国王陛下。お呼びと伺い、ベルガモット家全員で御前に参りました」


 ここは大人しくしておこうと、家族で話し合い陛下の話を聞く事にしました。


「良く来た、ベルガモット。実はな此度の事で決めた事を、報告したいと思ってな」

「決めた事ですか?それは………」


 まぁ、あの『馬鹿』の話だなと家族全員で納得をする。


「まあ、先に話すのはルーベルトに、纏わりついた女の話からだ。あれはシュバン子爵が手を回した者だったよ……」

「シ、シュバンですと!何故あいつが!!」


 ………な、何故関係もないパトリシアを!


「そうだ、あいつの仕業だったよ、それにまんまと嵌まったのが馬鹿息子だ……」

「そ、それは………」


 残念そうに陛下を見た………。

(同じ親だ……気持ちは分かるが、今回に限っては情けは掛けない)


「ああ、気にするな!私にはまだ息子が居る!」

「それで、あいつらを謁見の間に呼んで居る!処分を聞くが良い」

「はぁ………それでは謁見の間に移動致しますが……パトリシアは、余り出したくは…」

「其もそうだな、それでは玉座の後ろに控える場所が有る。其処で見て居れば良い。ベルガモット、其れで良いか?」

「はい。そうして頂ければ、有りがたいですが……」

「では、行こうか……」


 ぞろぞろと謁見の間に移動する。

 私達一家は、玉座の後ろで隠れて様子をみる事になった。



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