第17話 遠いです。

 お夕食はピザパーティーで決まり。

 叔父様とは途中で別れて、マクレインと二人で城の厨房まで歩いています。

 もちろん、ルクス達と一緒にですわよ?


「お姉様?」

「何かしら?」

「お城は広いですね?」

「そ、そうね……厨房まで遠いわね?」


 兵舎からだと遠いのよね……。


「遠いですね……」シュン。


 シュンって?え?遠い……と、だけ言われても……。

 仕方ない……。


「なら……これに乗っていきましょうか?」


 2人乗りの、キックボードを取り出してと!

 マクレインを前に乗せて走りますか?


「お、お姉様?これは何ですか?」

「フフフ。これは歩かなくても良い乗り物よ!マクレイン、ここに乗って頂戴?」

「え?こうですか?」

「ええ、手はここで両足は揃えてね?」

「は、はい……」

「腕に余り力を入れたら駄目よ?でも、しっかり手で持っててね?」


 少し難しいかしらね、大丈夫かな?


「は、はい!」

「なら動くわよ!」レッGo!

「うわぁぁぁ~!凄い!」


 2人乗りだから魔力を加減してと。


 スーーッと動きだす。

 おお!これは楽ね?歩くよりは楽な早さですわ!


(ルクスついて来れる?)

《うん!大丈夫だよ!だけどルトとカイが!》


(あ!忘れてたわ!一旦止まるわね?)


「お姉様?どうしましたか?」

「ごめんカイ達を一旦、お家に返して良いかしら?あ!リズもね?」

「ええ!嫌です」

「なら歩く?」

「………分かりました」

「よし!良い子!」


 と、言ってマクレインの頭をポンポンとする。


(リズ、ルト、ルクス、カイ影に入って頂戴)

》》


 スッと影に4匹が入っていった。


「す、凄い!お姉様凄いです」

「フフフ。でしょ?ならいくわよ?」

「はい!」


 スーッと、キックボードに乗って厨房迄向かう。向かってる最中もずっと、凄いを連発するマクレインです。中々ウザいですわね……?

 でも、マクレインって弟見たいですわね?フフフ。かわいいわね?


 そして、厨房に着くとホードを仕舞う。


「はい!到着!どう?マクレイン怖くなかった?」

「大丈夫です!楽しかった!僕あれ欲しいです」

「フフフ。今は駄目よ?」

「どうして?」

「後で教えてあげるわ?それより、今は料理長にお願いがあるでしょ?」

「あ!そうでした!」


 二人で厨房に入って料理長を呼ぶ。


「料理長!居るかしら?どこ~?」

「お!お嬢様ですか?なんだかこのやり取りも、久しぶりですかね?ハハハ!」

「そうね?フフフ」

「で?今日は?夕飯の用意なら、そろそろですがね?」

「そう、それよ!夜は、ピザパーティーです!ピザ生地捏ねて下さい!トマトソースはあるかしら?」

「ん~微妙ですが……急いで作りますよ!なら中庭ですね?御用意しますよ?ですが……ピザだけですか?」

「なら……マクレイン君?なにか他にも食べた物があるかしら?私はサラダをお願い」

「なら、ならなら!から揚げに、パスタ!」

「パスタですかい?坊っちゃん?何のパスタですか?」

「何でもいいです」

「料理長?在庫あるかしら?」

「ありますが……パスタですか?お嬢様。でしたら、竈を外にお願いしますよ?」

「分かったわ、少し大きめのを作っておくわね。なら宜しくね…6時頃までにできるかしら?」

「6時ですか?なんとか……、その時間までにはとしか……?」

「分かったわ!宜しくね?」

「はい!畏まりましたよ!」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る