第12話 領地へ 

 外に出ていくグレンを見送る。

 暫くすると、グレンが戻って来るがお父様が私を呼んでいると伝えられたので、チビッ子達と一緒にお父様のいる場所まで向かう。


「お父様、お呼びですか?」

「あぁ、パトリシアすまんな。今から昼食の用意をするのだが、ここだと見張らしは良いのだが、魔物も出がちな場所なのだよ」


 ああ、結界を張ってくれと?


「お父様?では、今後広い場所でなら馬車の隊列は、丸く円を書くように、止めて頂けますか?間隔を開けて広目の円で、構いませんから」

「な、なぜだ?パトリシア?」

「丸く囲んで結界を張れば、目隠しにもなります。便利では?出発する時は間隔が広ければ出発時もそんなに問題は無いかと?それに結界も張りやすいですわ」


 あぁ、それと馬達は別にしてくださいね?と伝える。

 さて、さて、今回はこのまま結界を張りますか?


「では、お父様結界を張りますわよ?結界!!」

「……………」


 すると、違う場所に居た母が慌てて歩いてくる。


「パトリシア!貴方いま魔法発動したの?」

「え?ああ、お母様。いま結界を張りましたよ?如何致しましたか?」

「そう、それなら良いのよ?大丈夫?」

「ええ、お母様大丈夫ですわ、ありがとうございます。さて、私は料理長の様子を見てきますわね?」

「ええ、お願いね?あぁルクス、ルト置いていって?」

「え?何故?」

「だってぇ、馬車の中で、寂しかったのよ?ね、良いでしょ?」


(ルクス、ルトお母様といて貰っても良いかしら?)

《いや、主といく!》

《僕は良いよ?ご主人のママといても》

(ルクスごめんね、じゃあ、お母様宜しくね?ルトは。私の肩に乗ってね?)

《うん!》

《後で、ごほうび待ってるね?》


フフあざとい。


(了解よ)


「お母様。ルクスを宜しくお願いしますわ」

「ええ、ルクスいらっしゃいな」


 母がルクスを、撫でまくる。ご、ごめんねルクス。

「では、料理長の所に行って来ますわ!」


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