第3話 ~ 静観するパトリシア 3 ~
そして、謁見間の入口まで叫び中に入っても離せと叫び、呆れた騎士に蹴り倒されるがそれにも構わずに、謁見間の赤い絨毯の上を転がりながら一人の男が出てくる。
そして、転がったまま玉座の前で顔を上げると父である国王が、眼に入ったのだろうルーベルトが声を出した。
「父上、これは?何の無体ですか!私を離して下さい。これ外して………父上!」
父親に腕を上げて見せて、枷を外してくれと懇願する。
「うるさいぞ、ルーベルト。周りを良く見ろ!」
父に言われて周りを見ると、知らない夫婦とエミリアが居た。
「え、エミリア。お前、だ、大丈夫だったか?」
その言葉を聞いた、エミリアがしおらしく助けてと言う。
「る、ルーベルト様。助けて私悪くないです。この子爵夫婦に、王子に近付いて篭絡しろって、命令されたの。私悪くないよ」
ったく、これじゃアルバン様に出会えないじゃん。(………逃げないと不味いな)
「そ、それじゃ命令されて、私に近付いたのか?」
「そうだけど?全く、王子騙すのチョロイね。だからさ早く助けて、私悪くないよ?」
ルーベルトは、愕然として転がる姿勢から膝を抱え丸くなった。
「ぶっ!父上、真実の愛のお相手が、こんな馬鹿な品の無い女でしたか」クック。
「ククッ!こ、これなら……ルーベルトに、お似合いですよ」ハハハ。
二人の兄達が、笑いながらルーベルトをバカにする。
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