第10話 領地へ

 そして、暫くすると私の乗る馬車がガタンと音がして動き出した。

 なんとなく、動き出した馬車から外を眺める。

 空間広げても外は見れるのよねぇ~不思議。

 あ!そろそろ王都の門を出るのね?

 思えば色々あったけど、二度と王都には来ないと思うと精々する。

 学園は楽しかったけれどね……親友と呼べる友人も出来たし。勉強でもこの世界の事が大分わかった積もりですけれど……。

 ボンヤリとそんなことを考えながら、窓から外を見ていると王都を出る門が見えて来た。


「あ、門を出るわ。グレン、エルサ、なんとなく寂しくなるのは、何故かしらね?余り良い思いでも無いのだけれどね?」

「「パトリシア、お嬢様………」」


 あっ!しんみりしちゃったわ!不味いわね?切り替えなくちゃ!


「グレン、エルサ。お仕事は一段落着いたかしら?」

「は?はぁ~。一応手は、空きましたね」

「私も、とりあえず」


 また、何を言い出すのかと思ってる顔をしてるわね?全く二人共失礼なんだから!!!


「なら、三人で、ゲームしない?」

「ゲ、ゲームですか?パトリシア様?なんですかそれは?」

「いいから、二人ともそこに座って!」

「はぁ??」

「いいからほら、座る!」

「「はい!」」


 そして出したのはトランプと、リバーシ先ずはトランプを出して簡単な、ババ抜きの遊び方を二人に教える。


「………………説明中……………」

「いい?分かった?試しに一度説明しながらやってみましょう?」

「はい!パトリシア様、これ面白そうです!」


 グレンはやっぱり覚えが良いわね?

 こういう遊びを覚えるのが早いわね?男性だからかしら?勘が良いのよね。

 対してエルサは、乗り気ではないな?

 まっ、遊びだしね?つまらないならまた別に出すし!


「さぁ、じゃぁ、カードを配るわよ?」

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