第9話 領地へ
そして、次の日の朝いよいよ出発の時間です。朝の湯浴みを済ませて、朝食を取り旅支度をしてエントランスに向かうと、家族が全員が揃って待ってました。
「申し訳ございません。お待たせいたしましたか?」
「パトリシア!大丈夫だ。忘れ物は何も無いかい?」
「ええ、お父様。大丈夫ですわ」
「さぁ!領地に帰るぞ!」
「「「「はい」」」」
お父様、お母様が一緒の馬車に乗り込みます。ヴァンスお兄様、アレクお兄様も馬車に乗り込む。最後に私がルクス達と馬車に乗り込みます。
そして騎士隊、使用人達が次々と所定の場所に行くと出立の声が掛かった。
「出立~!!」
お父様の専属騎士隊長の声がすると、次々と馬車が動き出した。
……だがまだ私の馬車は動かない。
「グレン!まだ動かない?」
「まだですよ?まだ旦那様達の馬車が動き出したぐらいですね」
(ルクス、ルト)
《《呼んだ?》主なに?》
(皆で馬車に乗ったから、ゆっくりしょうと思ってね)
《でも、どこに行くの?》
(私達の、お家に帰るのよ?)
《お家に?今までのお家は?》
(今までのお家は売ってしまってもう、私達のお家ではないのよ?だから領地に帰るのよ)
ふうぅ~ん??
(だから暫くは、この中で過ごす事が多くなるのよ?退屈だろうけれど………我慢してね?)
《分かったよ。じゃぁ、僕達この中を探検家してくるよ。良いかな?》
(ええ、良いわよ?だけど、グレンとエルサの部屋は入って駄目よ?)
わかった!
自由に遊んでてね。
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