第3章 

第1話 領地に帰る前の準備 1

色々考えたが、くよくよしている場合ではないわ!ここは確認する所です!

 なので馬車の中の沈黙を破る事にする。


「お父様、お母様。私頑張りましたわよね?」

「な、何を。いなりどうした?パトリシア気でも触れたか?」


 娘に何てことを言うのかこの親は!


「私は正気でしてよ?それよりこれから領地へ帰るのですか?」

「あぁ、前々から考えて居たのだがな…。今までは、お前の事があったから言わないで居たが。いつかあの『ば…ゲフン』王子がやらかしてくれると、確信してたしな!これで、心置くことなく大腕を振って領地に帰れるぞ」


(やらかすにも、大層なことをしてくれたが、ここはガッツリと慰謝料を分捕ってやる!私の可愛い娘に傷を付けたのだ、絶対に泣かせてやる。(怒))




 そして、父が私の両手を包み。

 にこりと笑って、お祝いの言葉をくれた。


「パトリシア、学園卒業おめでとう。そして良くぞ13年も頑張った」


 そして、お母様も私に言葉をくれた。


「私達は貴方が、心配でならなかったのよ。優秀な成績を維持しながら、お妃教育にも一人で耐えて居るのに……助けてあげれなかったわ」

「だが……今日で、お前の努力は無駄になってしまった。だが消して無駄では無いぞ?何事も経験が大切だ、此からのお前の人生に、必ず役に立つ事が在るだろう」


 その言葉を聞き居たとたんに涙が出そうになる。


「そうよ、本当に良く頑張りました。5才のあの時から良く耐えたわ、もう何も苦しむ事は無いわ。一緒に領地に戻り、パトリシアの好きにすると良いわ。本当に学園卒業おめでとう」


「ありがとうございます。お父様お母様。ですが、私は……領地の事は何も記憶が無いのです」


 そう、全くと言って良いくらいに領地の思い出がない、5才に成る前に領地を出てから一度も帰る事が出来ず、王都の屋敷で今まで過ごして居たので記憶がないのですよ。


 色々やらかしてないと良いのだけれど……心配ですわ。


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