第2話 領地に帰る前の準備 2


「そうよねぇ?でもパトリシアは幼き頃から利発で、何でも言って周りを驚かせたわ」


 ん?何やらかした……私?


「そうだな……。この馬車の揺れは車軸に、サスペンションという物を、付けたら揺れが軽減する。と言い出した。最初は何の事だかさっぱりわからず、困った物だったが。ある日、ドワーフの鍛冶屋に一人で出かける。と言い出し家族で止めるのも聞かずに、鍛冶屋に家族で往ったのを思い出すよ」

「それに、屋敷のトイレとお風呂も改装する。と言い出した時にはもう、勝っ手になさい!と怒ったもの……」

「フフフ、その節は申し訳御座いません……」


 お、覚えがない………。


「後は石鹸と、整髪剤も家の自慢だわ!他の貴族のご婦人と比べても髪色が違うのよ!」


ウフフとお母様が嬉しそうにしていますが……まだ、あったか!私!!


 あ、でも!それは覚えてるかも?

 何せこの世界の整髪剤は、髪を洗うとバキバキになる。艶なんて問題外の品質で、使うのにも躊躇う前世の物を知っていると、この世界の物が受け入れられなかった。


 やっぱりやってたか!何故思い出さなかった?ん~??


「後は、食べ物よ。全く天才よ!パトリシア」

「まぁ何にせよ、パトリシアのお陰で我々の生活は、他の者達より贅沢に、暮らせるありがたいよ」


 悩んでいたら、父に誉められた嬉しい物よね。

 だが…………食べ物?何をしたか?私??

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