卒業半年前 3

「あの方また、何かをしていらしたのかしら?」


 本当にあの方は、学園を卒業する気が在るのかしら?王家に名を連ねて居て“あれの”他は、ある程度優秀でいらっしゃる中で、留年とか笑える。


(直ぐ上の第2王子のクレール殿下は、学年主席で卒業された筈である)




「ええと…何かでは……無いのですが。どこかのご令嬢と腕を組み、城下を歩いて如何わしい場所に、入って行ったと?ルーベルト殿下を見掛けた方から聞きましたわ」


 腕を組んでね………。

 全く護衛は何をして居るのかしら?

 ん?待てよ………まさか護衛も遊んでいるのか?


 何にせよ、城下町で何をしているのか。

 全く民の前で恥を去らして何をしてるのやら。


 しかしこの事は、陛下は知っているのだろうか?知っていて黙って見逃して居るのなら、国ごとぶっ潰してやる!!


「み、間違いではなくて?ですか?」

「ええ、間違い無いそうですわ」

「教えて頂き有り難う御座います。この話しはもう皆さま、知っているのかしら?」

「学園中知らない方は、いませんわよきっと」

「そ、そうですか。教えて下さりありがとうございます」


 何にせよ、やってくれましたねと思わずニヤケる。クラスメイトに、顔を見られるのは不味いので下を向き、両手で顔を被って笑いを堪える。


 肩が震えて居たので、案の定勘違いをしたクラスメイト達が。口々にお可哀想にと言うどうやら私が、悲しみに震えていると勘違いをしてくれている。実際には違う、とうとう私にも転機が来たらしいと、歓喜にうち震えているだけである。


 勝手に自滅してくれれば、私的に万々歳だ!

 どうぞご勝手にして下さい。そして私に係わらないで下さいましね。ルーベルト殿下!


「パ、パトリシア大丈夫?」


 私が下を向き、震えたのに心配したのか隣に居たイリアが心配をしてくれる。


「だ、大丈夫よイリア有り難う」


 といい下を向いた私が、顔をあげニコリと笑った。


「さぁ皆さま、お騒がせ致しました。まもなく授業が始まりますわ、席に着きましょう」


 そして授業が始まった。


 其から学園に居られる、時間も過ぎて何時しか卒業迄は自由登校になり、卒業パーティー当日になり。


 私は今パーティーからの、帰りの馬車の中にと言うわけである。




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