第29話 領地へ 本当にやって来た。

 そして、やっと兄達が他国の王子を連れて戻って来た。


 その前の準備として、王子達を向かえ入れるために野営地の中心から外れた場所に、大きなテントを張り休んで貰う様にし、それとは別に小さめのテントも張った。


 ここは要はトイレとシャワールームです。

 そこからまた少し離れた場所にもう1つテントを張り、これで迎える準備が出来た。

 後は、お父様達が上手く対応すると言う事なので私はノータッチです。




◆◆◆◆◆◇◆◆◆





「さあ、ここが私達の野営地です。皆さんお入り下さい。歓迎致します」


 招かれた場所は煌々と明るく、温かい雰囲気の光景にクレマンド達が呆気に取られる。外はもう薄暗くなっているのに、この場所だけはまるで昼間の様だ。


 それにしても独特な夜営の形だ、まず馬車で円を作りその円の中で野営をする等、誰が思い着くのだろうか?と思う。


「………す、凄い野営地だな?こんなに明るくて魔物の心配はないのかい?」


 クレマンドが感心と心配をする。するとヴァンスが説明をする。


「ええ魔物が襲って来ても、安全ですよ。秘密があるのでね。この形は一晩中の見張りが要らないのが、メリットですね。さぁ、中へ私の両親が待ってます」


 クレマンドは、野営地をキョロキョロと見回して歩く。


「あぁ、すまんな。世話に成る」


 と上の空で返事をしたのだった。



 そして、両親がクレマンド殿下と挨拶を交わす。


「はじめまして。私はベルガモット家の当主、アデル・ベルガモットです。そして妻のマリーンです」

「妻のマリーン・ベルガモットと申します。ヴァルガンド殿下、歓迎致しますわ」


 ニコリと笑って母が挨拶をする。


「それにしても、魔物に襲われたとの事でしたが。見たところ、お怪我も無いようで一安心ですかな?」

「はじめまして、ベルガモット殿。私はクレマンド・アルバドラド・ヴァルガンド、と申す。アルバドラド国の第二王子です。この度は世話に成ります。それにしても、助かりましたよ。馬車も壊され馬も死んでしまい。おまけに、自分と側近が怪我を追いましたからね。もう駄目かと思いましたよ。ハハハ」


「それは、大変でしたね。それでしたら丁度、良かったですな?あちらに狭いですが、テントを張り御用意致しました。どうぞ一晩ですが、安心してお体を休めて下さい。それに、そろそろ夕食の時間です。その時にまた、お声を掛けさせて頂きます。さぁクレオ、ご案内して差し上げなさい」

「畏まりました。私目はベルガモット家、家宰のクレオと申します。テントへご案内致しますので、どうぞ私に続いて来てくださいませ」


 そう言ってクレオが案内をして、王子達が取り敢えずこの場から離れた。

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