第18話 心配するパトリシア

 城に移り住んでから2週間が経ました。

 今は、庭でルトとルクスが遊んでいるのを、テラスでお茶を飲みながら眺めてます。


(ルクス、ルト、余り遠くに行かないでね?もう少ししたら温室に行くわよ?)


 チビッ子達と、話をしながらお茶を飲んでいるとお兄様達が、ぐったりとした様子でテラスに現れる。


「お!シア、それ私にも」


 アレクお兄様が、お茶催促をして椅子にどかりと座ります。

 

「パトリシア!私にも同じものを貰えるかい?」


 ヴァンスお兄様も、同様にぐったりしてお茶の催促をして私の隣に座る。


「はぁ~お兄様達?私はメイドでは、ないのですが?お茶を飲みたいのなら、ご自分達のメイドに言ってくださいな?私はこれから、温室に行って果物が生る木を植えるのです」

「ほぅ?何の実が生る木を植えるのだい。シア」

「それは………とっても、美味しい実がなる物ですわ?フフフ」

「何だ?教えてくれないのかい?パトリシア」

「内緒ですわ。それにしても……お兄様達?如何しましたの?何だか、とってもお疲れみたいですわね」


 本当に、なんだかお疲れモードね?

 あ!ならあれを差し上げましょうかしら?


「お兄様達どうぞ、これをお飲み物に成って下さい。お茶の代わりではないですが?」


 そう言って、兄達にポーションを渡す


「こ、これは!シア。またポーションか?」

「は?ポーション……これが?」

「ええ、お疲れでしょう?飲んだら元気が出ますわ!私からお兄様達への、ちょっとしたお礼ですわ」

「これが……お礼ねぇ~?」


 アレクお兄様が、瓶を振りながら不機嫌そうに言う。


「あら?アレクお兄様?なにか不服そうですが?」

「そうだぞ!アレクお前折角パトリシアが

貴重な薬をくれたのに……何が、不服なんだ?」

「い、いえ?別に?唯、話し合いが進まなくてウンザリ、してるだけですよ。………全くあの年寄り達は話が通じなくて…………」


 ブツブツと文句を言うアレクお兄様です。

 あら、そんなに難航してるの?


「ヴァンスお兄様?」

「なんだい?パトリシア?」

「そんなに大変ですの?」

「まぁ、ね?話が進まないよ?あれではね?」


 そう言うと、ヴァンスお兄様も溜め息を付きます。


「そうでしたの?」


 私が、入れない話なので何もない言えません。


「あ、済まないね?パトリシア?お前は温室にいくのだったかい?」

「ええ………。ですが、本当に大丈夫ですの?」

「大丈夫だよ。それより一緒に温室に行こう!」

「え?アレクお兄様?お父様達の所へ戻るのでは?」


 お疲れなのに、私の用事に付き合わせる訳にも行かないのですが…………。



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