第17話 パトリシア……誤魔化す

「えっと……まだ全然余裕ですわよ?」

「シア、誤魔化すな!お前ステータスは?」

「い、嫌ですわ?お兄様そんなに恐い顔をして?どうしましたの?」

「どうしたも………あ!ルクスとルトを出さないと!ルト、ルクスでておいで」


 なんとか、これで誤魔化したい!私です。


 そして、チビッ子達が影から出てくる。


《《ごしゅじん》あるじ、なに?》


「フフフ。広いお家に来たから、ここでは好きに遊んで良いわよ?ほら、お兄様達もいるわよ?」


《あ!ヴァンスお兄ちゃんと、アレクだ!》


 チビッ子達が、お兄様達に突進していきます。


「お!ルトおいで」

「ルクスか、おいで。パトリシア何か食べさせられる物はあるかい?」

「有りますわよ?」


 アイテムボックスから、リンゴを出してお兄様たちに手渡す。

 そんな事をしていると、お父様達が到着したようで、皆さん揃ってサロンに入ってくる。


「パトリシア!お前は……またか?」


 お客様がいる手前で、騒げないので言葉を止めて難しい顔をしてますわね?


「お父様?ご到着が早かったですね?」

「う、うむ………」


 一言、返事をするとどかりとソファーに座る。


「あら、お父様ったらお客様をご案内して差し上げないと?」

「お!そうだったな。すまんクレマンド殿、そちらへお座り下さい」

「はは、すみませんね?では、失礼して」


 といってソファーに座る。


「しかし、ここはまた素晴らしいですね?見たこともない建物ですね?」

「私達の城ですわ。暫くご滞在されるようでしたら、迷わないようにしてくださいませね?」

「迷う?」

「ええ、城は広いので。あ!お父様、私少し席を外しますわね?失礼を。あ!クレオ!」

「は、はい?お嬢様。何で御座いましょうか?」

「ちょっと私と一緒に来てください」

「は、はい承知致しましたが……」

「良かったわ。なら、来てくださいな?」


 といって、サロンをでると厨房へ二人で歩いて行く。


「料理長!いる?」

「はい、い、居ますよ……お嬢様!と、クレオさんですか………」

「あ!料理長!ここの厨房……使い方分かる?」

「まぁ大体は?王都の屋敷の厨房と広さ以外は、変わらないのでしょう?」

「ええ、そうよ?良かったわ、イチイチ説明は面倒ですもの?クレオ」

「何でしょうか?」

「サロンのお客様と、お父様達を宜しくね?」

「あぁ、それで……私をここまで案内をしてくれたのですか?」

「フフフ。私はグレン達に話があるから行くわね。後はお願い」

「はい!分かりました。皆様に、お茶を御用意してお出しします。お嬢様、有り難う御座いました」

「フフフ。何もしてないわよ?あ!これ、この城の見取り図よ?役に立つかしら。じゃ、後でね?」


 そして、私はグレンとエルサ……使用人達を探す。

 えっと……マップで人溜まりを探して………。

 あ!居たわね……場所は、おっと!随分ここから遠いわ!

 仕方ないわね行きますかと、パタパタ走って向かいます。


 面倒ですわね広いのも!

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