閑話 兄弟で 2

月日が経ちもう大丈夫だと思い、一家で戻ったのだがやはりこうなった。


「ま、でもこんなに立派な城が建って、良いんじゃないですか?俺は羨ましいよ。あの父上達と一緒に暮らすのは、本当に骨が折れる。(幸い私の子供達は、可愛がってくれているが………)」

「まぁ、そう言うなよ?ハンス!此れからは、協力していかないと、ならないからな!」

「は?協力?兄上、一体何をするのだ?」


 アデスが、ニヤリと笑いハンスに話しをし出す。


「ハンス!前からの話を進めたいと思ってな?お前達と、依子の貴族達も言っていたろ?独立と!」


 そう、もう何年も前から独立の話しは出ていたのだ。それを、パトリシアの事が切っ掛けでとは言わないが。

 まぁ、良いタイミングにはなった。

 そして、やっと動き始められる。


「そ、それは本当か兄上?」

「あぁ、パトリシアが良い切っ掛けを作ってくれた!それにこの城だ、依子達も文句は無いだろうよ?」

「ほ、本当か?」

「あぁ、これで動ける!」

「そうか!なら、この領地と他の貴族の領地を合併させて国を作れると?」

「そうだ!」


 そんな話しを、兄弟でしていると部屋にクレオが入って来る。


「失礼致します。旦那様、本邸と言って宜しいのか悩みますが。大旦那様から文が届いております」

「は?父上だと、クレオ貸せ!」


 父からの文を、クレオから受け取り読み始める。


「………………。全く情けない」


 受け取った文を読み終わると、顳顬に中指を当てて揉みながら呟く。


「兄上?どうしたのだ。父上は、なんと?」

「ほら、お前も読んで良いぞ。但し私の子供達には言うなよ?」

「は?ま、まぁ兄上が、そう言うなら………」


 失礼して……と言いながら、アデスが父からの文をハンスに渡しその文を、ハンスが読み始めた。


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