閑話 兄弟で 3

「…………は?何を言っているのだ?あのボケ老人達は!」


 両親が寄越した文をハンスが読むと、その文を握り潰して怒りで震える。


「お前もそう思うか?」

「あぁ、酷すぎる。何故この城が父上達の物に成るのだ?訳がわからない。ほんの数日前まではこの土地は、捨てられた土地だったのだぞ!(私でもこの土地には、手を出したくは無い程に荒れ果て居たのに。パトリシアがこんなに綺麗に、人が住める様にしたとたんに、自分の物だと言ってくるとは。なんと情けない親だ!)」

「さて、ハンス悪いが。お前と会ってすぐ、本邸に戻る話しに成ってしまうが。戻ったら、父上にこれの返事をしてくれぬか?」


 アデスは文をつまみ上げヒラヒラとさせ手見せる。


「あぁ、構わない!私もこれはないと思うからな!」

「ならば伝えてくれ。どの面下げて、図々しい事を言うのだと!おととい来やがれとな!ワハハハ!」

「ぶっ!ワハハハ。兄上も人が悪い!分かりました。必ず伝えますよ。それでは、今日は………そうですね?なんだか気が逸れましたので、帰りますよ………。また、近い内に顔を出しますよ」

「あぁ、そうしてくれ。その時にでも、子供達に会ってやってくれ!会議もあるからな?」

「分かりました。では、今日はこれで」


 そう言って、ハンスが部屋から退出していった。

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