閑話 叔父と祖父 1

 ハンスが、ベルガモット家の本邸に戻ってくると執事のポールに、父達を呼ぶように伝えてると自分はサロンに入る。


 実は、この屋敷を所々リメイクしたのはパトリシアである。

 ハンスの姪子は凄く変わっている子供だった。

 トイレに浄化の魔法と、水魔法を魔石に組み込めばトイレの汚物と、臭いが消えると言い出した。

 それと風呂場を作れと言い出し、浴槽成るものを作らされた。

 あの二つには、大層驚かされたが。

 それだけではなかったなぁ~と、パトリシアがこの屋敷に居た頃の事を、思い出していると突然声掛けられる。


「ハンス?何か用なのか、突然呼び出しおってからに。全く……儂は、忙しいのだぞ!」

「そうよ?なんなのです!」


 全く………この人達は、本当に昔の国王の片腕だったのかと疑いたくなる。


「申し訳ありませんね?父上、母上?急にお呼びしまして。実は先程、兄上の『城から』帰って来たのでね?兄からの伝言がありますので、お二人にお伝えしょうと思いましてね?」

「ほう、そうなのか。それであの、城を明け渡すと?」


 なにを、訳の分からない事を言ってるのだろう?我が親がこれ程とは。

 まったく恥ずかしい事である。


「ハハハ、ご冗談を父上、何をいってるのですか?ボケるにはまだ早いですよ?」

「なに!親に向かって無礼であろ?」


 なにが、無礼なものか!兄上だって土地を貰う権利はあるのだ。兄上はこの領地の跡取りだろうに。

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