第34話 厄災をもたらす聖女なんて…!

 私願いを何でも叶える……ですって!可笑しくて笑って仕舞うわね。

 グレンを横目で見ると、呆れてるし……。

 まったく、寝言は寝てから言って欲しいわぁ~。

 はぁ、どうしてこう……利用しょうとしてくる方達が、次々に沸いてくるのかしらねぇ~。

 先日結界の強化をしたにも係わらず、この様な方を通すとか…結界にも限度はあるのかなぁ~。

 心の中の深いところ迄は読み取れないですものね?


「はぁ…それでは、なにも分かりませんわ?ちゃんと仰って頂かないと。私は、聖人君子ではありませんもの。ごく普通の人ですわよ?なにか、勘違いされてる様ですが」

「そんな事はない筈だ!貴方は聖女だろう?」

「はぁ?私の何を知ってそう、仰って居るのかしら?バカバカしいわ。私が聖女ですか?フフフ」


 聖女ですって!フフフ。当たりですけどね。


「それは、可笑しい!ご自分の事を知らないと?リシュタールの教皇様が、貴方を聖女だと仰られたのを」


 知るわけがないでしょう。馬鹿なのかしら?


「ええっと、それは……いつ頃、仰ってらしたのかしら?」

「一ヶ月程前の事ですよ!知らないのですか」

「あの……私達は二ヶ月程前にこの領地に着きましたのよ。知る訳がないですわよね?良くお考えに成ってくださいませね?」

「そ、それでも情報は有るだろ?」

「あの……。私共の領地と、リシュタール国王との約束で、お互い国交は持たない。と、この様な取り決めになって居りますのよ。ですので、わざわざ情報等は持たなくても良いですわね?」

「そ、そんな……では、知らないと?」


 知る訳がないじゃないの。普通に考えてもそんなこと……。


「ですから、知りませんわよ。私が聖女ですか?笑って仕舞いますわね。ねぇ…グレン。フフフ」

「ええ、そうでございますね。お嬢様」

「そ、そんな。で、では、各領地の被害は貴方が国を恨んで、もたらした災害ではないと?」

「そんなこと出来てしまったら、私は化物ではないでしょうか。貴方は私を馬鹿にしてるのかしら?お聞きしますが、……聖女様って、災害をもたらす方ですの。違いますわよね、民達の幸せを願う方ですわよね?」

「………そうですね」

「それで、もし私が聖女でしたら。貴殿方親子は何を望んで、私との婚姻をと申しますの?まさか私を利用して、聖女の力を使わせて、飼い殺しにでもするのが目的ですの?」

「そ、そんな馬鹿なことは考えてない。失敬だ!今の言葉は父上に伝えて、ヴァンス殿に抗議させて貰う!ふん、気が削がれた今日はこれで失礼させて貰う!ゾル行くぞ」

「畏まりました。其では失礼させて頂きます。ベルガモット様」


 エンバルトがご立腹で、東屋から出てき私は独り……溜め息を着く。


 はぁ疲れた……。


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